2020年9月30日、米国セントルイスのスーパーマーケットチェーンSchnuck Marketは、2017年より導入していた店舗向け自律ロボットTallyを、さらに46店舗に追加導入することを発表した。

在庫管理を自動化する自律ロボットTally

 Tallyは店舗の在庫管理を自動化するロボットで、店舗内を自律的に動き回り、商品をスキャンして店舗内の在庫を確認。ロボットは店舗全体を1日3回までスキャンし、自律的にドックに戻って、継続的な操作を可能にする。

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 このTallyは店舗の通路を1日2〜3回横断し、横断するたびに店舗あたり約35,000の商品の在庫を自律的に取得する。このロボットとデータ解析により、小売店は以下の利点を享受することができる。

  • 人でで検査する場合と比較して14倍の在庫切れ検出と、店舗の在庫切れアイテムの少なくとも20%の削減を実現
  • Schnucksの自動補充システムにフィードするリアルタイム在庫の精度が向上し、より効率的な在庫管理が可能になる
  • 注文と補充を合理化し、顧客のニーズを満たすために店舗の棚に迅速に補充できる
  • 価格バーコードも読み込み、効率的に管理することが可能

 Tallyは、バーコードを含め、あらゆる種類の値札を読み取り、商品の価格が間違っている、欠落している、または陳腐化したときにアラートも出すことができるという。

Schnucksは店舗の半分以上にTallyを導入することに

SchnucksのITインフラ&開発のVPであるDave Steck氏はこう述べている。

「Tallyが導入された店舗から、我々に提供される重要なデータと貴重な洞察の量は計り知れません。Simbeとのパートナーシップを拡大し、Tallyを店舗の半数以上に導入することで、お客様の在庫状況を改善し、面倒な在庫関連のタスクからチームを解放して、サービスにさらに集中できるようにします。お客様の体験を改善することは、我々にとって常に非常に重要であり、急速に変化する小売環境での運用にとってさらに重要になっています。」


ー 技術アナリストの目 -
Schnucksはローカルのチェーンであり、全ての店舗で112店舗と位置付けとしては中堅企業であるが、2017年に導入した店舗と合わせて62店舗と、半数以上の店舗で導入となる。こうしたテクノロジーが実際に店舗で活用され、ブラッシュアップされていくのは素晴らしい。ロボット技術を在庫管理というニーズと結びつけた発想も、ビジネスに繋げることができる面白い視点だ。