2020年11月6日、自動運転車を開発するスタートアップのPony.aiが、シリーズCラウンドを完了し、267m$の資金調達を行ったとブログで発表した。今回の資金調達ラウンドでの同社の評価額は53億$を超えるものとなっている。

今回の資金調達ラウンドはオンタリオ州教職員年金基金(OTPP)が主導し、Fidelity China Special Situations PLC、5Y Capital(旧Morningside Venture Capital)、Clearvue Partners、EightRoadsなどの既存の投資家が参加した。

Pony.aiが狙う米国と中国でのロボタクシーサービス

Pony.aiは2016年にカリフォルニア州で設立され、現在は米国と中国で自動運転車のパイロット走行を実施している。2020年2月には、トヨタ自動車が400m$の出資をしたことで話題になった。

同社公開のYoutubeへの直リンク
米国カリフォルニア州と中国広州・北京での走行実験様子

同社は、中国第一汽車(China FAW)もPony.aiに出資し、自動運転車の共同開発における協業を深めることも発表している。これは、車両の設計と製造やV2X、MaaSでの協業を行うというもの。レベル4の自動運転の実現に向けて緊密に連携をしていくという。

Pony.aiはパイロットプロジェクトとして、カリフォルニアのローカルコミュニティでの実証実験を行う中で、自動運転車を活用して食品や健康に関するキットの15,000を超えるパッケージを配送したという。中国と米国での自動運転車の走行距離は合計で250万kmを超えた。

競争の激しい自動運転車の開発レースの中で、同社は急速にその存在感を増している。

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自動運転ベンチャーの最新動向がわかるカリフォルニア州の走行距離レポートをまとめているためこちらもご参考。

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ー 技術アナリストの目 -
今年2月のトヨタ自動車による出資に引き続き、また数百億円単位での巨額の資金調達を実施したPony.ai。中国と米国での自動運転開発競争が激化しており、大きな資金が動く開発レースは増々熾烈なものとなっている。自動運転における中国勢の存在感は高まっており、米国ベイエリアと中国における自動運転開発の動向に注目だ。