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工場の生産性向上を図るAIプラットフォーム開発企業GuidewheelがシリーズBで約44億円を調達

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工場の生産ラインや生産設備にセンサーを取り付けることで、ランニング状態を監視できるプラットフォームの開発企業、GuidewheelがシリーズB資金調達ラウンドで$31m(約44億円)を調達した。2024年8月13日、同社が発表した。

Guidewheelは米国のスタートアップ。持続的に最大限のパフォーマンスを発揮できるよう、世界中の工場を強化することをミッションとしている。

工場の問題をリアルタイムで把握。最適な解決策を打てるAIシステム

Guidewheelが開発するのは、AIを用いた生産ラインや生産設備のためのプラットフォーム「FactoryOps」。あらかじめ取得した生産計画に照らし合わせて、進捗率がどの程度なのかリアルタイムで表示してくれる。また、過去2日間や過去7日間のデータも表示できるため、現場のモニタにスコアボードを表示すれば、誰でもランニング状態を把握できる。

同様のシステムがあるが、これらを導入するには$1m(約1400万円)以上のコストがかかる、立ち上げまでに数カ月以上かかる、などといった課題があった。それでも生産設備の一部にしか適用されなかったり、操業の一部しかシステムで監視できなかったりすることもある。

しかし、Guidewheelが提供するシステムはスマートウォッチのようなセンサーを機器に取り付けるだけだ。そのため数時間で設置、立ち上げが可能で、すぐに効果を確認できるだけでなく、あらゆる生産設備に適用可能。予測的なメンテナンス機能もあるため、何百ドル、あるいは何千ドルといったダウンタイムによる無駄なコストを削減できる。

2024年7月には、ロンドンで開催された「Breakthrough Energy Summit 2024」にGuidewheelが参加するなど、気候変動対策にも積極的である。その中でMicrosoftの創業者であるBill Gates氏やWilliam王子と面会し、持続的な工場の改善のデモンストレーションを披露した。

「自社だけでなく顧客のさらなる成長のために資金を活用」と説明

今回の資金は、投資会社のBlackRockやTemasekから成るDecarbonization Partners(脱炭素化パートナーズ)が主導し、既存投資家である複数のベンチャーキャピタル(VC)も応じた。

調達した資金は自社の成長のためだけでなく、「顧客の工場の持続性アップや収益性アップのために」使われると、Guidewheelは説明する。

今回の資金調達を受けてCEOなどからのコメントは出されていないものの、調達を伝える声明で「数週間前、(顧客の)工場長との電話で彼は『チームに Guidewheel を廃止すると伝えたら、シマから追い出されるだろう』と冗談を言った。彼は何気なくそのことを言っていたが、心に響いた」と、自社の成果を強調している。



 

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  • 記事・コンテンツ監修
    小林 大三

    アドバンスドテクノロジーX株式会社 代表取締役

    野村総合研究所で大手製造業向けの戦略コンサルティングに携わった後、技術マッチングベンチャーのLinkersでの事業開発やマネジメントに従事。オープンイノベーション研究所を立ち上げ、製造業の先端技術・ディープテクノロジーにおける技術調査や技術評価・ベンチャー探索、新規事業の戦略策定支援を専門とする。数多くの欧・米・イスラエル・中国のベンチャー技術調査経験があり、シリコンバレー駐在拠点の支援や企画や新規事業部門の支援多数。企業内でのオープンイノベーション講演会は数十回にも渡り実施。

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