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米スタートアップのAlta Resource Technologiesがシードラウンドで約8億円を調達。レアアース確保の不安定要因排除を目指す

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生物学を利用した効率的なレアアース採取技術を開発するAlta Resource Technologiesは2025年1月7日、シードラウンドでの$5.1m(約8億円)の調達を発表した。

Alta は2023年、米コロラド州で設立。今回の資金調達までステルス状態(存在を隠しての企業活動)にあった。調達後もオフィシャルサイトはアカウントをつくらなければコンテンツを閲覧できず、情報の公開を最低限に留めているとうかがえる。

タンパク質でレアアース採取

レアアースは、電気自動車(EV)や半導体などさまざまなデバイスに利用され、資源量が極めて限られている半面、現代社会に不可欠な材料でもある。また、EVのモーターにおける重要な材料であるネオジムは、多くが中国で産出されたびたび輸出が止められているように、レアアースは経済安全保障にも大きく影響しているのが現状だ。

Altaが開発するのは、数少ない米国などのレアアース鉱山やいわゆる「都市鉱山」(建物や電子デバイスには再利用可能なレアアースや金属類が数多く眠っている事実から、都市を鉱山に見立てた言葉)から効率的に得たい資源を採取する技術である。

米ローレンス・リバモア国立研究所からライセンス供与されたタンパク質の技術を活用。レアアースに付着するタンパク質を設計した。

Alta の共同創業者兼CEOを務めるのは、Nathan Ratledge氏という人物。スタンフォード大学で環境資源学の博士号を取得した他、プリンストン大学などでも学位を取得している。

連邦政府・州政府からの補助金も

シードラウンドには複数のベンチャーキャピタル(VC)が参加。また、調達した資金の他に、米国防総省国防高等研究計画局(DARPA)をはじめとする連邦政府、およびコロラド州政府から合わせて$1m(約1億6000万円)近い助成金を受給したことも明らかにしている。

資金は、技術チームと技術そのものの拡大に利用する。

Ratledge CEOは、次のようにコメントした。

「生物学は数十億年かけて超選択的鉱物分離の問題を解決してきたが、それを実用化することはこれまで困難だった(註・現在のレアアース採取が生物学的アプローチではなく、毒性を含む場合もある化学物質による精錬で行われていることを念頭に置いた発言)。

当社の技術は、複雑な混合物中でも、これまでにない選択性で特定の金属に結合できる特別に設計されたタンパク質を活用している。低濃度だとしても、結合可能だ。これらのタンパク質を継続的かつスケーラブルなプロセスに展開することで、国内の膨大な未開発鉱物資源を開放し、サプライチェーンと国家安全保障を強化するとともに、環境に配慮した採掘の新しいスタンダードを確立できる」




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  • 記事・コンテンツ監修
    小林 大三

    アドバンスドテクノロジーX株式会社 代表取締役

    野村総合研究所で大手製造業向けの戦略コンサルティングに携わった後、技術マッチングベンチャーのLinkersでの事業開発やマネジメントに従事。オープンイノベーション研究所を立ち上げ、製造業の先端技術・ディープテクノロジーにおける技術調査や技術評価・ベンチャー探索、新規事業の戦略策定支援を専門とする。数多くの欧・米・イスラエル・中国のベンチャー技術調査経験があり、シリコンバレー駐在拠点の支援や企画や新規事業部門の支援多数。企業内でのオープンイノベーション講演会は数十回にも渡り実施。

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