「持続可能なチョコレート」を開発するPlanet A FoodsがシリーズBで45億円を調達。ヒマワリの種が主原料
カカオフリーのチョコレートを開発したPlanet A Foodsが2024年12月6日、シリーズB資金調達ラウンドで$30m(約45億円)を調達したことを発表した。
同社は、Sara CTOとMaximilian CEOのMarquart姉弟が2021年に設立したドイツのスタートアップ。ヒマワリの種をカカオの代替品としたチョコレート「ChoViva」を、2023年9月より市場に本格投入している。
目指すのはカカオ・パームオイルフリーのチョコレート
チョコレートの主原料であるカカオだが、「単一栽培による生物多様性の破壊」「農園拡大による自然樹木の伐採」「必要とされる大量の水」「児童労働など人権面の問題」をはらむ。また、自然の樹木に影響を与えている以上、カーボンニュートラルとも関連する農作物となる。
こうした課題から、Planet A FoodsはChoVivaを開発し、商品化に至った。
市場投入以来、さまざまなフレーバー、形態のChoVivaを販売。2024年9月には、欧州の菓子ブランド「Treets」と共同で、ビーガン向けの商品をリリースした。
また、Planet A Foodsはパームオイルフリーのチョコレートの生産も目指す。従来のチョコレート生産では、さまざまな工程でパームオイルが使われていた。パームオイルもカカオと同様に、自然樹木の伐採とそれに伴う弊害が指摘されるための、取り組みである。
アジアを含む世界的な商品展開が視野に
シリーズBはベンチャーキャピタル(VC)が主導。事業会社の投資家では、再生可能エネルギー開発を手掛ける米企業、BayWaのコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)が応じた。
資金は、世界的な商品展開と生産能力の拡大に使われる。報道によると、シリーズBと前後してMaximilian CEOが日本に出張しており、アジア市場からの需要をどう受け止めるか検討するさなかだという。よって、欧州まで足を伸ばさなくてもChoVivaを口にできる日は、近いかもしれない。
同じくMaximilian CEOは、資金調達について次のようにコメントした。
「シリーズBラウンドは、当社にとって大きな節目となる。この資金と業界をリードするプロダクトにより、Planet A Foodsはもはや単なるスタートアップではなく、持続可能な食品業界を再構築するためのフードテック企業としての道を歩んでいる。
当社の使命は、これまでと変わらない。カカオなどの価格変動が激しく限られた資源とは異なる、持続可能な原料を提供することだ。資金調達により、当社はさらに新しい市場へ進出し、生産を拡大し、世界的な製菓大手へ大規模にプロダクトを供給できるようになる」
コメントの最後にもあったように、Planet A Foodsは自社製品だけでは持続可能なチョコレートの生産は難しいと考えている。この点は、前出の報道からもうかがえる。
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