SPAC上場を予定している4D LiDARを開発するAevaが上場前に200m$の資金を調達
Aevaがプライベートエクイティから200m$の資金を調達
指先になるサイズの4D LiDARチップを開発しているAevaが、SPAC上場をすることを発表したのは2020年11月だ。同社は2021年第一四半期に手続きを終えて、ニューヨーク証券取引所に上場すると言われている。
そのAevaがSPAC上場の資金調達に加えて、先行して200m$の資金調達を実施した。これはプライベートエクイティのSylebra Capitalをリードインベスターとして実施されたもの。
今回の200m$を加えると、一連のSPAC上場で調達する金額は合計で563m$となるようだ。これらの資金は引き続き同社の4D LiDARチップの開発と生産に使われると想定される。
FMCW(周波数変調)4D LiDARチップ
2017年に米国シリコンバレーで設立された同社は、元Appleのエンジニアによって立ち上げられたテクノロジー企業だ。
同社は、指先に乗るサイズで手ごろなコストでの4D LiDARチップを開発している。同社の技術方式はFMCW(周波数変調)方式という。
従来使われているToFでは、照射したパルスが反射波となって返ってくる時間を測定している。しかし、一般的にはToFは返ってくるパルスが弱いことから、ノイズの影響を受けやすい。そこで、周波数を線形に変化させたパルスを照射して反射光と干渉することによる周波数の変化を読み取る方法がFMCWだ。
FMCWはToFと比べて完全な3Dビューを得ようとすると高い演算能力が求められるが、外部環境変化に強く、他のLiDARからの干渉にも強いと言われている。また、FMCWでは物体位置だけでなく、速度も測定できることも特徴だ。そのため、同社のLiDARチップは「4D」と言われている。
ZFと生産パートナーシップを締結済み
Aevaは2020年9月に、自動車大手Tier1のZFとパートナーシップを締結したと発表している。車載向けとしては初の4Dライダーを自動運転市場に投入することを目指しており、ZFが車載向けセンサーシステム全体の量産化を担当し、その中でAevaのFMCWライダーが組み込まれるという。
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