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【上海モーターショー2021】RoboSenseが自動運転のAutoXと戦略的提携を発表

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中国のLiDARベンチャー企業であるRoboSense(ロボセンス)が、現在開催されている上海モーターショーの初日である4月19日に、自動運転システムを開発する中国ベンチャーのAutoX、自動車向けオペレーティングシステムを開発するBanma Network Technologyと戦略的提携を行ったことを発表した。

3社は3D LiDARセンサー、自動運転を制御するAIアルゴリズム、インテリジェントな自動車オペレーティングシステムというそれぞれの技術の協力により、高レベルの自動運転プラットフォームを構築する。ハードウェア、ソフトウェア、AI機能の融合を通じて、スマートコックピットと自動運転システムの統合が促進することを狙う。

AutoXの創設者兼CEOのJianxiong Xiao氏は、次のように述べている。
「中国では完全自動運転のRoboTaxiが現実のものとなり、乗客は車内でより多くの自由時間を過ごすことができます。スマートで楽しい旅行には、よりインテリジェントなサービスと車とのやり取りが必要です。3者によって形成された完全な製品エコシステムは、安全で楽しい自動運転ソリューションを実現します。」

AutoXは以前からRoboSenseと提携関係にあった

今回改めて両社の戦略的提携関係が発表されたわけであるが、AutoXは以前からRoboSenseと提携関係にあった。

RoboSenseの自動車向けソリッドステートLiDARのM1がCES2020で発表された際に、AutoXと共同デモンストレーションのパートナーシップを締結していることが明らかになっており、同じく発表されたフィアットクライスラー(FCA)の車両を使ったロボタクシー車両PacificaXにおいて、RoboSenseのLiDARが使われていることが明かされていた。

一方で、このPacificaXではDJI系列のLivoxのLiDARも使われているとされており、AutoXはRoboSenseとLivoxという2社の中国系LiDARをテストしている。

(補足)AutoXがRoboSenseのM1とLivoxのTele-15・Horizonを使い分けている可能性はあり、反射率10%で比べるとM1は最大150mの物体検知が可能で、Tele-15は最大320m、Horizonは最大90mの物体検知が可能となっている。長距離用はTele-15、中距離用はM1で、短距離用をHorizonと距離や目的に応じて使い分ける意図がある可能性もある。

(今回参考のプレスリリースはこちら


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  • 記事・コンテンツ監修
    小林 大三

    アドバンスドテクノロジーX株式会社 代表取締役

    野村総合研究所で大手製造業向けの戦略コンサルティングに携わった後、技術マッチングベンチャーのLinkersでの事業開発やマネジメントに従事。オープンイノベーション研究所を立ち上げ、製造業の先端技術・ディープテクノロジーにおける技術調査や技術評価・ベンチャー探索、新規事業の戦略策定支援を専門とする。数多くの欧・米・イスラエル・中国のベンチャー技術調査経験があり、シリコンバレー駐在拠点の支援や企画や新規事業部門の支援多数。企業内でのオープンイノベーション講演会は数十回にも渡り実施。

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