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脳神経刺激でうつ病治療をサポートするFisher Wallaceがクラウドファンディングで2.6m$を調達

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神経刺激デバイスの実用化

神経刺激による治療促進やサポートは、新しい医療機器の分野として注目されている。下記の記事でもまとめているが、米国FDAのブレークスルーデバイス指定(※1)を受けている技術には、複数の神経刺激デバイスが含まれている。
※1 FDA認可前の有望なデバイス・機器に与えられるもの

参考:【特集】デジタルヘルスケア領域のベンチマークとして重要な米国FDAについての解説

Fisher Wallaceが開発しているデバイスも、脳神経刺激によりうつ病治療をサポートするハードウェアであり、2021年3月に3つの臨床試験の結果を元にFDA申請が行われ、医療機器としての認定を受けている。

クラウドファンディングで2.8億円の資金を調達

同社は今回、クラウドファンディングのプラットフォームであるStart Engineで、2.6m$(約2.8億円)の資金を集めることに成功した。

https://www.youtube.com/watch?v=b-mmG0L8eq0
同社公開の動画への直リンク

ユーザーは、この脳神経刺激デバイスを使う時には、バンドの下に電極パッドを指し、皮膚とバンドで挟むようにして使う。複雑な操作は不要で、シンプルな作りだが、製品の外見は決して洗練されたデザインではない。まだ初期の製品といった形である。

しかし、このデバイスはすでに米国の10,000の医療提供者を通じて、70,000人のユーザーへ販売(処方)をしており、多くの患者で効果が確認されている。例えば、ある薬物・アルコールリハビリ施設で実施された392人の被験者を対象とした研究では、このデバイスによってリハビリの定着率が50%向上したことが示されたという。

うつ病や不安神経症を治療するために、ユーザーは休息中または通常の活動をしているときに、1日20分間デバイスを装着する。また、不眠症の治療の場合には、就寝前の2時間以内にデバイスを使用する。

同社によると、抗うつ薬、抗不安薬、睡眠薬などによる薬物療法は、副作用を引き起こすことがある。また医師の診察費用を含めるとジェネリック医薬品でさえ高価になることもあるという。一方で行動療法は副作用は無いが、効果が出るまでに時間がかかる。そこで、同社のデバイスを使うことで比較的短期間に、低コストで効果を得ることができるというのが同社の主張だ。

同社は現在第二世代の製品を開発中であるという。

 

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  • 記事・コンテンツ監修
    小林 大三

    アドバンスドテクノロジーX株式会社 代表取締役

    野村総合研究所で大手製造業向けの戦略コンサルティングに携わった後、技術マッチングベンチャーのLinkersでの事業開発やマネジメントに従事。オープンイノベーション研究所を立ち上げ、製造業の先端技術・ディープテクノロジーにおける技術調査や技術評価・ベンチャー探索、新規事業の戦略策定支援を専門とする。数多くの欧・米・イスラエル・中国のベンチャー技術調査経験があり、シリコンバレー駐在拠点の支援や企画や新規事業部門の支援多数。企業内でのオープンイノベーション講演会は数十回にも渡り実施。

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