パロアルトとトロントを拠点とするミドルマイル自律配送システムを開発しているGatikが、シリーズBで85m$(約93億円)の資金調達を実施したことを、8月31日に発表した。

BtoB向け自動運転配送テクノロジーを開発中

Gatikは商用車を活用したミドルマイルでの自律走行技術を開発しているベンチャー企業だ。TuSimpleやWaymo Via、Plus.aiのように大型で長距離のトラックの自動運転ではなく、小・中型のトラック・バンを対象として、小売業者向けに短距離での物の配送を自動化しようとしている。

同社公開の動画への直リンク

上記の動画からわかるように、ドライバーは安全監視のために搭乗しているが、公道を自動運転モードで走行している様子が伺える。

2020年にはウォルマートとの提携を更に発展させ、ルイジアナ州のウォルマートとの新しい電動自律ボックストラックの実証から、アーカンソー州にも展開することを発表。実証が順調に進んでいることをアピールしている。

今年の4月にはいすゞ(Isuzu North America Corporation)とも提携し、レベル4対応の完全自動化された中型トラックを開発するための協業を開始した。最初の車両は、2021年内に米国とカナダで商業運転のために配備されるという。

北米中型トラック市場の自動運転商業化に向けて活動を強化

Gatikは今回調達した資金を活用して、商用グレードの自律走行技術を発展させ、北米の市場全体でクラス3〜6のマルチ温度自律型ボックストラックのフリートを拡大していくという。

また、それに伴い、同社のチームの規模を大幅に拡大していく方針だ。

今回の資金調達では、Koch Disruptive Technologies(KDT)をリードインベスターとして、既存投資家であるInnovation Endeavours、Wittington Ventures、FM Capital、Dynamo Ventures、Trucks VC、Intact Venturesなどの各VCも参画している。

同社が調達した総額は1億1450万ドル(約126億円)となっており、前回のシリーズAの資金調達から1年で大きく調達規模を拡大させた。

参考:BtoB短距離自動運転配送のGatikがシリーズAで25m$を調達

 

GatikのHPはこちら


ー 技術アナリストの目 -
前回のシリーズA時はまだ調達金額も25m$と小規模の調達でしたが、今回は85m$と、ある程度の規模の調達にこぎつけることになりました。自動運転技術はこうした商用車からの事業化が短期的には期待されており、Gatikはこの1年くらいで、北米で本格的な商業化ができるかどうかが問われています。

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