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オンラインメンタルヘルス治療のMeru HealthがシリーズBで約42億円を調達

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オンラインでのメンタルヘルス治療ソリューションを開発・展開しているベンチャー企業のMeru Healthが、シリーズBで38m$(約42億円)の資金調達を実施したことを、9月23日に明らかにした。

今回のリードインベスターはIndustry Venturesという20年以上ファンドを運営する老舗VCであり、既存投資家であるBold Capital Partners、Freestyle VC、FMZ Ventures、Leksell Social Venturesも参画している。さらに、エクイティファイナンスだけではなく、デッドファイナンスでJ.P. Morganも参加している点も特徴的だ。

Behavioral Health(行動保健学)によるアプローチ

Meru Healthは、スマートフォンのアプリを通して、オンラインでのセラピストと精神科医のサポート、心拍変動によるバイオフィードバック、そして瞑想の実践や睡眠・栄養などの習慣改善などを提供している。

いわゆる認知行動療法(Cognitive behavioral therapy:CBT)がベースになっており、12週間のメンタルヘルス改善プログラムと、9か月のフォローアップ期間によって取り組みが構成されている。

こうしたメンタルヘルス領域の認知行動療法に取り組みベンチャー企業は他にも存在しており、そのソリューションの効果を常に問われることになるため、臨床研究の結果などを公開しているケースも多い。

Meru Healthは、同社とカリフォルニア大学デービス校、ヘルシンキ大学、ヘルシンキ大学中央病院による共同研究で、102人の中等度のうつ病症状のある参加者を対象に、スマートフォンのアプリベースでの8週間の治療を提供し、治療終了時の改善が12か月後まで延長されているかどうか評価を行っている。

結果は、参加者の60%が12か月のフォローアップでうつ病と不安の軽減を持続した、としており、これらの反応率は、実際の抗うつ薬の研究で評価されたものよりも、効果が高いことを示唆しているという。

Meru Healthのアプリは2018年にローンチされており、同社の顧客基盤は2020年に10倍に増加し、2021年も力強い成長となっているという。

勃興するメンタルヘルススタートアップ

メンタルヘルス市場は近年非常に注目されている。

主にはアプリを使ったデジタル治療や、オンラインプラットフォーム上でのセラピスト・精神科医によるコーチングなどが主である。今回のMeru Healthに近いのは、下記のBig Healthなどのプレーヤーだろう。

参考:メンタルヘルス向けのデジタル治療アプリを提供するBig Healthが39m$の資金を調達

また、今年6月にはTalkspaceがSPACで上場し、現在米国新興市場のナスダックで取引が開始されている。このTalkspaceは近年売り上げが急拡大しており、2020年で76m$(約84億円)にも上る。

参考:メンタルヘルスケアプラットフォームのTalkspaceがSPACで上場

COVID-19によりメンタルヘルスに影響を与えているというデータも出てきており、こうしたデジタル治療は市場で求められている。認知行動療法によるデジタル治療の効果に関する論文も様々見られるようになり、こうした手法についても認知度が徐々に高まっていることが追い風となっているのだろう。

Meru HealthのHPはこちら


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  • 記事・コンテンツ監修
    小林 大三

    アドバンスドテクノロジーX株式会社 代表取締役

    野村総合研究所で大手製造業向けの戦略コンサルティングに携わった後、技術マッチングベンチャーのLinkersでの事業開発やマネジメントに従事。オープンイノベーション研究所を立ち上げ、製造業の先端技術・ディープテクノロジーにおける技術調査や技術評価・ベンチャー探索、新規事業の戦略策定支援を専門とする。数多くの欧・米・イスラエル・中国のベンチャー技術調査経験があり、シリコンバレー駐在拠点の支援や企画や新規事業部門の支援多数。企業内でのオープンイノベーション講演会は数十回にも渡り実施。

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