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ダイムラーがLiDARベンチャーのLuminarへ出資し、高速道路における自律走行トラックの開発を加速

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 2020年10月30日、ダイムラーのトラック部門が、LiDARベンチャーのLuminarへ少額出資を行ったことを発表。また、子会社のDaimler Truck AGと戦略的提携を行い、高速道路における高度な自律走行トラックを実現するという。

自動運転トラック(SAEレベル4)の実現に向けて加速するダイムラー

 ダイムラーは最近、自動運転トラックに関する技術への投資に非常に積極的である。2019年8月には防衛産業や商用車向けに自動運転技術を提供していたTorc Roboticsを買収。ダイムラーのトラック部門とTorc Roboticsは、高度に自動化されたトラック(SAEレベル4)を10年以内に道路に運ぶという共通の目標を追いかけている。

 今回、Luminarへ出資を行うのもこの流れの一環と見られる。Luminarは2012年に米国パロアルトで設立されたベンチャー企業で、高精細なLiDARを開発し、従来より格段に安い、レベル4向けで1,000$を切る価格、レベル2・3向けで500$を切る価格での提供を狙っている。同社はSPAC(特定目的会社)を利用したナスダックでの株式公開の手続きに入っていることで話題になった。

https://www.youtube.com/watch?v=OkH2XKRgqlg
同社公開のYoutubeへの直リンク

 自律走行トラックは、当初は高速道路の長距離走行において、ロジスティクスの効率と安全性を劇的に向上させることが期待されている。まずは都市部ではなく、高速道路における自律走行に焦点をあてて実用化することで、短期間で量産に持っていく考えだ。


― 技術アナリストの目 ―
近年、ダイムラーの自動運転トラックへの投資は著しい。この動きについては別の記事でまとめたいと思うが、まずは商用車で短期間に高速道路で自律走行ができる自動運転トラックを量産したいという意図が明確にある。Torc Roboticsの買収の成果も出てきているようであり、商用車の自動運転化の動きにも要注目である。

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  • 記事・コンテンツ監修
    小林 大三

    アドバンスドテクノロジーX株式会社 代表取締役

    野村総合研究所で大手製造業向けの戦略コンサルティングに携わった後、技術マッチングベンチャーのLinkersでの事業開発やマネジメントに従事。オープンイノベーション研究所を立ち上げ、製造業の先端技術・ディープテクノロジーにおける技術調査や技術評価・ベンチャー探索、新規事業の戦略策定支援を専門とする。数多くの欧・米・イスラエル・中国のベンチャー技術調査経験があり、シリコンバレー駐在拠点の支援や企画や新規事業部門の支援多数。企業内でのオープンイノベーション講演会は数十回にも渡り実施。

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