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CEATEC2020でも展示された英国ベンチャーUltraleapの空中ハプティクス

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2020年10月20日~23日の間の4日間、ITとエレクトロニクスの国際展示会であるCEATEC 2020 ONLINEで展示されていた技術の中で、英国ベンチャーUltraleap社の技術がコーンズテクノロジー株式会社のブースで紹介されていた。

今回はUltraleapが実現する空中ハプティクスの技術について紹介する。

85m$もの資金を集める英国ベンチャーUltraleap

Ultraleapは、2013年に設立された英国ブリストル大学発のベンチャーUltrahapticsが母体となったベンチャー企業。mid-air haptics(空中ハプティック)と呼ばれる超音波技術を使った空中触覚の技術開発に取り組んでいる。2020年8月に、VRやARヘッドセットなどの製品に組み込むことができるハンドトラッキング技術を開発するLeap Motion社と統合され、現在のUltraleapとなった。なお、日本においてはコーンズテクノロジーが2017年に販売代理店契約を締結している。

空中触覚とは? ~タッチレステクノロジー~

同社の技術は、長年大学で研究されてきたものを商用化に成功。超音波トランデューサ―アレイより発せられた超音波を位相コントロールで集約。全ての超音波が集約する場所を焦点と表現しており、この焦点が皮膚に小さなへこみを作る程度の圧力を生じさせ、手に触覚を感じさせる。

同社の特許によると、超音波は40KHz以上の周波数のものを使用し、それを皮膚の受容体が感知できる範囲の周波数に調整し、触覚を表現する。例えば、比較的遅い16Hzの変調周波数は、遅くかつ脈打つ感覚をもたらし、より高い200Hzの変調周波数は、ほぼ連続的な感触を生成する。

また、この焦点は瞬時に位置を変えることができる。ハンドモーショントラッキングであるLeap Motion Controllerを使用して、手の位置に合わせて焦点をずらすことができるという。

https://www.youtube.com/watch?v=EY6FKCfoaQk
同社公開のYoutubeへの直リンク

ホシデンがUltraleapの技術を使ってタッチレスパネルを開発

2020年9月には、日本の大手エレクトロニクスメーカーであるホシデンが、Ultraleapテクノロジーを使用したタッチレススクリーンパネルを発売したと発表。

感染症対策として、非接触で操作できるタッチパネルとして提案を始めている。従来のジェスチャー認識による非接触タッチパネルでは操作した感触を得られなかったが、Ultraleapの技術を使うことによって、単純なON/OFF操作だけでなく画面のアイコンを空中にて選択決定するまでの一連の動作を空中で操作できるという。

今後も、こうした新規アプリケーションの実装動向に注目だ。



  • 記事・コンテンツ監修
    小林 大三

    アドバンスドテクノロジーX株式会社 代表取締役

    野村総合研究所で大手製造業向けの戦略コンサルティングに携わった後、技術マッチングベンチャーのLinkersでの事業開発やマネジメントに従事。オープンイノベーション研究所を立ち上げ、製造業の先端技術・ディープテクノロジーにおける技術調査や技術評価・ベンチャー探索、新規事業の戦略策定支援を専門とする。数多くの欧・米・イスラエル・中国のベンチャー技術調査経験があり、シリコンバレー駐在拠点の支援や企画や新規事業部門の支援多数。企業内でのオープンイノベーション講演会は数十回にも渡り実施。

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