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中国の自律飛行eVTOLを開発するEHangが北京での無人飛行試験を完了

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2021年2月23日、中国のEHangが北京での無人飛行試験を無事に完了したと発表した。

北京での無人飛行試験は初

同社の発表によると、旅客グレードの自律飛行eVTOL(同社はこれをAAVと呼んでいる)が、中国における高度に規制された空域である首都北京の上空を飛行したのは初めてだという。これらの無人試験飛行は、空域規制当局から正式な承認を得て実施されたものとなっている。

2台の同社の自律飛行eVTOL「EH216」により、合計5回の無人試験飛行を行ったという。今回飛行試験の対象としていた場所は、気温マイナス14度の凍った雁棲湖(Yanqi Lake)上空となっている。この湖は北京の都市部から数十キロ離れた有名な観光地であり、今回、かなりの低温環境下であったが、無事に飛行試験を行った。(なお、飛行テストでは別の場所で暑い砂漠、濃霧、台風などのシチュエーションでも実施されているようだ)

中国民用航空局(CAAC:Civil Aviation Administration of China)は、2020年10月に無人民間航空産業の発展における中国の世界的リーダーシップを強化するため、最初の無人民間航空実験ゾーン(UCAEZ)を発表していた。このUCAEZのリストでは、北京、上海、賀州、杭州、紫陽、安陽、南京、天津、玉林、瀋陽、東英、安清、贛州を含む13の都市が含まれており、今回の飛行試験はこのUCAEZにおける取組みの一環と考えられる。

EHangは直近で商業化に向けた活動を加速

EHangは2人乗りのでドライバー無しの完全自律飛行UAVを開発している。米国新興市場のナスダックに上場しており、先月には40m$の新規資金を調達し、その飛行実験を加速している。同社の予定では、2021年の第2四半期にEH216の生産を開始する計画となっており、年産で600ユニットとなっている。

前回の資金調達の詳細はこちらから。

参考記事:中国の自律飛行eVTOLのEHangが40m$の資金を調達

(今回参考のプレスリリースはこちら


EHang含む世界の有力空飛ぶ車ベンチャーの動向を全体像をまとめている。有力プレーヤーを一気に把握するのは下記から。

参考記事:(特集) 空飛ぶ車・エアモビリティの世界ベンチャー企業動向



  • 記事・コンテンツ監修
    小林 大三

    アドバンスドテクノロジーX株式会社 代表取締役

    野村総合研究所で大手製造業向けの戦略コンサルティングに携わった後、技術マッチングベンチャーのLinkersでの事業開発やマネジメントに従事。オープンイノベーション研究所を立ち上げ、製造業の先端技術・ディープテクノロジーにおける技術調査や技術評価・ベンチャー探索、新規事業の戦略策定支援を専門とする。数多くの欧・米・イスラエル・中国のベンチャー技術調査経験があり、シリコンバレー駐在拠点の支援や企画や新規事業部門の支援多数。企業内でのオープンイノベーション講演会は数十回にも渡り実施。

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