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妊娠・不妊向けモニタリングAVAのデバイスでCOVID-19の早期検知が可能である結果が発表

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2021年3月22日、妊娠のための、そして不妊治療支援のための女性モニタリングデバイスを開発するベンチャー企業のAVAは、同社のデバイスを使ってCOVID-19の早期検知ができる可能性があるという研究結果を発表した。

この研究結果は中間段階の結果となっており、症例の71%のケースにおいて、症例の71%でブレスレットは最初の症状が現れる2日前に感染を示したという。

AVAの生体センシングデバイス

AVA AG(スイス)が開発・販売しているウェアラブルデバイスはブレスレット型のデバイスとなっている。このデバイスの第一世代は2016年に発売され、現在は第二世代であり、2021年1月には5万人の妊娠をこのデバイスを通して支援している。

AVAのデバイスは睡眠中の皮膚温度、脈拍数、呼吸数、血液循環、心拍変動を高精度でモニタリングすることができる。これらのパラメーターを解析して、女性特有の身体の変化をとらえ、妊娠可能期間をより正確に把握することができる。この精度は90%だという。

https://www.youtube.com/watch?v=J5n_t5IT4BI
同社公開の動画への直リンク

なお、このデバイスは2021年2月にFDAから医療機器としての認定を受けており、FDAの認可を受けた最初で唯一のウェアラブル不妊治療トラッカーとしての地位を確立した。

COVID-19感染の早期検知に向けた研究

この研究はリヒテンシュタインの科学者と起業家であるローレンツ・リッシュ教授とマーティン・リッシュ博士が率いる研究コンソーシアムによって、研究プロジェクト名「COVI-GAPP study」として実施されている。

研究は2020年4月から開始しており、リヒテンシュタイン家とリヒテンシュタイン政府によって資金提供され、同国在住の1100人以上の被験者を対象として推進されている。

ローレンツ・リッシュ博士はこう述べている。「これは、Covid-19感染の早期発見と、パンデミックとの闘いにおける真のブレークスルーです。大きな課題の1つは、ウイルスキャリアをできるだけ早く特定することです。Covid-19を捕まえた人の多くは、数日後に症状を示すので、ウイルスは無意識のうちに伝染することが多く、その拡散を助け、効果的な追跡を困難にします。元の株よりも人から人へとより急速に広がるように見える突然変異ウイルスの出現によって、状況はさらに困難になっています。したがって、早期発見がますます重要になっています。」

欧州でのテストを拡大 2万人規模へ

この研究は、今後欧州でのテストを拡大するという。EUの資金を活用し、オランダで20,000人以上を対象とした大規模な研究を行う。この研究は、今回のリシュ博士らによって率いられる研究コンソーシアムによって支援され、このコンソーシアムには製薬企業のロシュのオランダ子会社も含まれているという。

(今回参考のプレスリリースはこちら


  • 記事・コンテンツ監修
    小林 大三

    アドバンスドテクノロジーX株式会社 代表取締役

    野村総合研究所で大手製造業向けの戦略コンサルティングに携わった後、技術マッチングベンチャーのLinkersでの事業開発やマネジメントに従事。オープンイノベーション研究所を立ち上げ、製造業の先端技術・ディープテクノロジーにおける技術調査や技術評価・ベンチャー探索、新規事業の戦略策定支援を専門とする。数多くの欧・米・イスラエル・中国のベンチャー技術調査経験があり、シリコンバレー駐在拠点の支援や企画や新規事業部門の支援多数。企業内でのオープンイノベーション講演会は数十回にも渡り実施。

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