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AIと3Dセンサーによる在宅パーソナライズフィットネスのTempoがシリーズCで約240億円を調達

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4月12日、在宅フィットネスのプラットフォームを提供しているTempoが、シリーズCで220m$(約240億円)の資金を調達したことを発表した。今回のラウンドは、リードインベスターとしてソフトバンクビジョンファンド2が主導し、新規投資家のSteadfast Capital Venturesと、既存投資家のDCM、General Catalyst、Norwest Venture Partners、BlingCapitalが参加した。これにより、Tempoがこれまで調達した資金の総額は約3億ドルとなる。

Tempoが開拓したパーソナライズフィットネス

Tempoは2015年創業の米国カリフォルニア州のスタートアップで、家でパーソナライズされたフィットネスができる機器とシステムを開発している。

画像クレジット:Tempo

同社の特徴は「パーソナライズ化」にある。AIと3D赤外線センサーによって、ワークアウト時のフォームをセンシング・分析し、効果的なトレーニングのためのフィードバックをすることができるのだ。例えば、足は肩幅と同じくらい離れているか、十分に負荷がかかるくらいしゃがんでいるか、などがリアルタイムでチェックされる。

画像クレジット:Tempo

自宅に置く42インチのタッチスクリーンディスプレイを通して、トレーニングをガイダンスする。システム構成はシンプルかつコンパクトで、家でのスペースをあまり取らないように設計されている。

Softbank Investment AdvisersのマネージングパートナーのJeff Housenbold氏はこう述べている。
「より多くの消費者が家庭用フィットネスソリューションを求めるにつれて、フィットネスの状況は劇的に変化しました。Tempoは、コンピュータービジョンテクノロジーを通じてAIで生成されたパーソナライズされたフィードバックを提供することで、自宅にいるユーザーに対してパーソナルトレーナーと一緒にワークアウトを行う体験を提供します。私たちはMoawia(同社CEOのこと)とTempoチームと提携して、人々が自宅でフィットネスの旅を進めるのを支援する、という彼らの野心をサポートできることを嬉しく思います。」

成功するか、在宅ジムのサブスクモデル

同社のビジネスモデルは非常に特徴的だ。

同社はこの在宅パーソナライズフィットネスの市場を、サブスクリプションモデルで切り開きつつある。Tempoの独特なサービスは、2020年の発売開始以来大きく成長しているようで、過去1年間で、Tempoの売上は10倍に増加し、サブスクリプションのキャンセルは0%であるという。

基本的なプランとしてのTempo Starterは2,495ドルとなっており、融資ありの月額69ドル(36か月間)のプランもある。さらに、世帯ごとに月額39ドルの個別のメンバーシップに加入することで、ライブとオンデマンドの両方のコンテンツを利用できるようになる。

このように、決して安くはない価格帯であるが、今回シリーズCで220m$もの資金を調達することができたということは、少なくともこれまでのユーザーの満足度が高く、継続性も高く、どのようにマーケティングをしたらどう広がるかのある程度の道筋も見えていると想定される。

(今回参考のプレスリリースはこちら


  • 記事・コンテンツ監修
    小林 大三

    アドバンスドテクノロジーX株式会社 代表取締役

    野村総合研究所で大手製造業向けの戦略コンサルティングに携わった後、技術マッチングベンチャーのLinkersでの事業開発やマネジメントに従事。オープンイノベーション研究所を立ち上げ、製造業の先端技術・ディープテクノロジーにおける技術調査や技術評価・ベンチャー探索、新規事業の戦略策定支援を専門とする。数多くの欧・米・イスラエル・中国のベンチャー技術調査経験があり、シリコンバレー駐在拠点の支援や企画や新規事業部門の支援多数。企業内でのオープンイノベーション講演会は数十回にも渡り実施。

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