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光コンピューティングデバイスのLightmatterがシリーズDで約616億円を調達。光インターコネクトボードをAIデータセンター向けに大量展開へ

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光を使った次世代コンピューティングデバイスを開発する米国のスタートアップ企業Lightmatterが、シリーズD資金調達ラウンドで$400m(約616億円)を調達した。2024年10月16日に発表した。

Lightmatterは、マサチューセッツ工科大学(MIT)のアルムナイ(卒業生)らによって、2017年に設立した米国のスタートアップ。従来の電子回路の代わりに光回路を使った次世代マイクロプロセッサやAIアクセラレーターなどの光コンピューティングデバイスを開発している。

AI開発により高まる大量・高速データ転送に光デバイスで応える

最先端のAI向けコンピューティングの開発が世界で加速する中、大量のデータを高速かつ低レイテンシーで扱うニーズが急激に高まり、従来の電子的な演算回路や回路内通信に限界が見えつつある。

Lightmatterは3次元配置された光回路デバイスを活用して光インターコネクションを実現するPassageというデバイスを使って、データ転送速度を向上させながら消費電力を削減するテクノロジーを開発。これをAI回路間に適用することで、高まるAIコンピューティングの高性能化ニーズに応える。

同社はこの1年ほど、元NVIDIA幹部のSimona Jankowski氏の最高財務責任者(CFO)への就任、Rich Beyer氏およびRobin Washington氏の取締役会への就任などの動きを見せている。2023年12月の資金調達(前回)の発表以降、Lightmatterはかねてより本拠を置いていたシリコンバレーだけでなくカナダのトロントにもオフィスを開設した。

「AIインフラを再発明する」とCEO

今回の調達によってLightmatterの企業価値は$4.4b(約6773億円)と評価され、これまでに調達した資本金の総額は$850m(約1308億円)となった。このラウンドは、資産運用会社のT. Rowe Price Associatesの助言を受けた新規投資家が主導し、GV(Google Ventures)など既存の投資家も対応した。

資金は、光インターコネクトボードPassageをAI向けデータセンターで大量展開し、今後急速に高まるAIニーズに応えるという。

Lightmatterの共同創設者兼CEOのNicholas Harrisは、次のようにコメントした。

「私たちはAIインフラを進化させているだけでなく、『再発明』をしている。世界最速の光子エンジンであるPassageにより、私たちはパフォーマンスの新たな基準を打ち立て、AIコンピューティングを阻む障壁を打ち破る考えだ。今回の資金調達により、私たちは事業規模の拡大を加速し、未来のスーパーコンピューターを実現させる」

 



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  • 記事・コンテンツ監修
    小林 大三

    アドバンスドテクノロジーX株式会社 代表取締役

    野村総合研究所で大手製造業向けの戦略コンサルティングに携わった後、技術マッチングベンチャーのLinkersでの事業開発やマネジメントに従事。オープンイノベーション研究所を立ち上げ、製造業の先端技術・ディープテクノロジーにおける技術調査や技術評価・ベンチャー探索、新規事業の戦略策定支援を専門とする。数多くの欧・米・イスラエル・中国のベンチャー技術調査経験があり、シリコンバレー駐在拠点の支援や企画や新規事業部門の支援多数。企業内でのオープンイノベーション講演会は数十回にも渡り実施。

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