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炭素強化複合材のArris Compositesが50億円を調達。スポーツブランドから航空分野までが幅広く素材を活用

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繊維強化複合材の製造技術を開発するArris Compositesが、$34m(約50億円)の調達に成功したと2024年4月30日、発表した。資金調達ステージは公表されていない。

同社は航空宇宙、自動車、消費者向け製品などに向けた炭素繊維の高性能複合材料を提供しており、今回の調達でさらなる技術拡張と市場拡大を目指す。

3Dプリンティング技術を用いた炭素系複合材料製造

Arris Compositesは、2017年設立。米国カリフォルニア州バークレーに本社を置く。高性能な複合材料の製造に特化しており、独自技術「Additive Molding」に注力。これは3Dプリンティングを用いて繊維強化熱可塑性樹脂と他の材料(金属や電子部品など)を統合する技法で、強度、剛性、軽量性などさまざまなパラメータを実現した部品を製造できるとして、航空宇宙、自動車、消費者向け電子機器、スポーツ用品など多様な産業から注目される。

2021年に行われた資金調達では、名古屋証券取引所に上場する鋳造品メーカーの中央可鍛工業が出資した。

各業界がプロダクトマーケットフィットに期待

今回の資金調達ラウンドにはシンガポールの総合工業企業であるST Engineering、日本のITソリューション企業であるZebra Technologies、韓国のYoungone Holdings、米国のStandard Industriesなど、新規および既存の投資家が参加した。

ST EngineeringのJeffrey Lam COOは、「Arrisとの協力によって航空宇宙ソリューションをさらに革新し、顧客に対して付加価値の高い製品を提供したい」と述べる。また、アウトドア・スポーツブランド事業を展開するYoungone HoldingsのRae Eun Sung副会長兼CEOは「Arrisの提供する最先端の複合材料には大きな可能性がある」と述べ、ARRIS製品による自社製品の差別化に期待を寄せている。

Arris Compositesは、今回の資金調達によってグローバル展開を進める方針。また、ランニングシューズ「Hyperion Elite 4」に採用された炭素繊維プレートの成功を受け、販売するBrooks Runningは今後も複数の製品にArris Compositesの技術を展開していく予定だ。さらに、大手自転車ブランドがArris Compositesのブラケットを採用した新製品を発売する予定だという。

Arris Compositesが公開したスニーカーのソール製作のイメージ動画



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  • 記事・コンテンツ監修
    小林 大三

    アドバンスドテクノロジーX株式会社 代表取締役

    野村総合研究所で大手製造業向けの戦略コンサルティングに携わった後、技術マッチングベンチャーのLinkersでの事業開発やマネジメントに従事。オープンイノベーション研究所を立ち上げ、製造業の先端技術・ディープテクノロジーにおける技術調査や技術評価・ベンチャー探索、新規事業の戦略策定支援を専門とする。数多くの欧・米・イスラエル・中国のベンチャー技術調査経験があり、シリコンバレー駐在拠点の支援や企画や新規事業部門の支援多数。企業内でのオープンイノベーション講演会は数十回にも渡り実施。

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