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ポンプ型波力発電のCorPower OceanがシリーズB1で約52億円を調達。商業展開に活用

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波力発電技術を開発するスウェーデンのスタートアップCorPower Oceanは、シリーズB1資金調達ラウンドで€32m($340m、約52億円)を調達したと、2024年10月16日に発表した。

同社は人間の心臓のポンプ作用を応用した高効率な波力エネルギー技術を提供しており、波のエネルギーの最大化、効率的な電力生産を目指す。本社をスウェーデンのストックホルムに置き、ポルトガル、ノルウェー、スコットランドでも拠点を展開する。

波力発電の商業化に向けた技術的ブレークスルーを達成

CorPower Oceanは、波力発電の実用化における2つの主要な技術的課題を克服した。1つは嵐への耐久性、もう1つは通常の海洋条件での効率的な発電である。

これらに対し、人間の心臓をヒントにしたポンプ型のエネルギー変換器を開発。嵐で波がうねってもボールの上下運動によりレジリエンスを得、また1トン当たり10メガワット時のエネルギーを生み出す。

すでにポルトガルなどでのプロジェクトでも実証が済んでおり、後述するように商業化へと進んでいくと見られる。

CorPower Oceanが支援するコンソーシアム「EVOLVE」の調査によると、オーストラリアの電力生産で波力エネルギーを10GW追加するだけで、調査が発表された2023年から2040年までに年間最大27億6000万オーストラリアドル(約2,788億円)節約できる可能性がある。

波力エネルギーの導入が、オーストラリアを含む各国のエネルギー貯蔵容量の要件削減と全体的なコスト低減につながるとの予測だ。

波力発電は、最大の未開発クリーンエネルギーのひとつといわれる。また、他のクリーンエネルギーと異なり発電量を見積もりやすく、波が立つ海であれば世界のさまざまな場所で活用可能だ。

CorPower Oceanは今回の資金調達のプレスリリースで、英国が波力エネルギーの目標を立てており、米国も商業化と産業開発を急いでいるという背景を説明している。

JBIC系VCなどが主導し、Ciscoも対応

シリーズB1資金調達ラウンドは、国際協力銀行(JBIC)が運営する在欧ベンチャーキャピタル(VC)などが主導。Ciscoのコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)であるCisco Investmentsも投資に応じた。

調達した資金の使途は、「商業展開の支援」としている。

共同創業者兼CEOのPatrik Möller氏は「波力発電による電力供給のために行われた今回の支援と信頼に大変感謝している。資金調達と技術的ブレークスルーにより、波力発電の拡大への準備が整った」とコメントした。

 



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  • 記事・コンテンツ監修
    小林 大三

    アドバンスドテクノロジーX株式会社 代表取締役

    野村総合研究所で大手製造業向けの戦略コンサルティングに携わった後、技術マッチングベンチャーのLinkersでの事業開発やマネジメントに従事。オープンイノベーション研究所を立ち上げ、製造業の先端技術・ディープテクノロジーにおける技術調査や技術評価・ベンチャー探索、新規事業の戦略策定支援を専門とする。数多くの欧・米・イスラエル・中国のベンチャー技術調査経験があり、シリコンバレー駐在拠点の支援や企画や新規事業部門の支援多数。企業内でのオープンイノベーション講演会は数十回にも渡り実施。

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