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網膜スキャンで心疾患などの予測をするMediwhaleがシリーズA2資金調達で17億円を確保。FDAのDe Novo承認を目指す

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Mediwhaleは、シリーズA2資金調達ラウンドで$12m(約17億円)を確保したと、2024年9月に発表した。

同社は、網膜スキャンで読み取ったデータをAIで分析し、心臓病や腎臓病を予防するソリューションを開発。医療機関からのニーズが今回の調達につながったと説明している。

医師の判断を代替できるデバイス開発

Mediwhale は、非侵襲で心臓病、腎臓病の予防を支援するプロダクトが特徴。2016 年に韓国で設立した。

人間の目は、侵襲的な処置を行わずに血管を直接視認できる唯一の器官で、目の後部内壁である網膜は、医師が健康状態を診断するのに役立つ動脈、静脈、視神経乳頭を示している。今までも、眼底検査カメラなどで網膜の直接観察が可能だったが、写真からどう判断するかは医師によって異なるという課題がある。

同社はこの課題に挑戦し、網膜をバイオマーカーとして心血管、腎臓、眼疾患、生物学的年齢をディープラーニングの技術を活用しつつスクリーニングする。

主力製品であるReti-CVDは、網膜をスキャンして心臓病や心血管疾患リスク(CVD)を評価するAI診断ソリューションで、心臓CTスキャンから得られる冠動脈カルシウムスコアと同等の高精度な結果を残している。

具体的には、Reti-CVDで低リスクと診断された群ではCVDの実際の発症は7例発生し、Reti-CVDで高リスクと診断された群では28例のCVD症例が発生している。

2024年6月には、MediwhaleがJohnson & Johnson Innovationのインキュベーションプラットフォーム「JLABS」の支援対象に選ばれた。Johnson & Johnson InnovationはJohnson & Johnsonのコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)である。

参考記事:海外のCVCはどのようなディープテックに投資しているのか|ライフサイエンス・製薬分野のCVC編

「世界市場をリード」とChoi CEO 

シリーズA2資金調達ラウンドは、韓国開発銀行(KDB)が主導し、主にベンチャーキャピタル(VC)が応じた。なお、これまでの資金調達は2021年にシリーズプレA資金調達で$2m(約3億円)、2023年のシリーズA資金調達では$9m(約13億円)となっている。

この新たな資金により、Mediwhale は AI アルゴリズムを強化とReti-CVD の米食品医薬品局(FDA)承認を目指す。

MediwhaleのCEO、Kevin Choi氏は次のようにコメントした。

「資本市場が冷え込んでいる中でも資金調達に成功したのは、当社の優れた技術によるところが大きいと考えている。世界初となる商品を実現した当社の先駆的技術により、心血管・代謝疾患管理の世界市場をリードすることを目指す。2025年までにFDAのDe Novo承認を取得し、その後まもなく米国で製品を発売する予定だ。さらに、競争力を維持するために、AIパフォーマンスを大幅に強化し、慢性腎臓病の予測を含む製品パイプラインを拡大していく」

※De Novoとは、従来品がない低リスクで新たな医療機器のためFDAが設けた、審査制度




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  • 記事・コンテンツ監修
    小林 大三

    アドバンスドテクノロジーX株式会社 代表取締役

    野村総合研究所で大手製造業向けの戦略コンサルティングに携わった後、技術マッチングベンチャーのLinkersでの事業開発やマネジメントに従事。オープンイノベーション研究所を立ち上げ、製造業の先端技術・ディープテクノロジーにおける技術調査や技術評価・ベンチャー探索、新規事業の戦略策定支援を専門とする。数多くの欧・米・イスラエル・中国のベンチャー技術調査経験があり、シリコンバレー駐在拠点の支援や企画や新規事業部門の支援多数。企業内でのオープンイノベーション講演会は数十回にも渡り実施。

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