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RFフロントエンド技術を有するSappland MicroelectronicsがシリーズB+で約20億円を調達。開発や生産規模拡大が使途

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4Gや5Gに対応したスマートフォンなどの無線技術である「RFフロントエンド」開発のスタートアップ、Sappland Microelectronics(正式社名 Hangzhou Zuolan Microelectronics Technology)が、シリーズB+資金調達ラウンドで1億元(約20億円、$14m)を調達した。2024年8月6日、同社が発表した。

Sapplandは中国のスタートアップで、RFハイエンドプロダクトのサプライヤーとなることを追求。本社は浙江省杭州市にある。

資金調達とほぼ同時期にスタートアップコンペで優勝

Sapplandが開発するのは、電波受信時の復調や送信時の変調を行うRFフロントエンド。代表的な製品として、SAWフィルター、TC-SAWフィルター、PEBAWフィルター、RFモジュールなどがある。

SAWとはSurface Acoustic Waveのことであり、スマートフォンなどが受信する電波のうち表面波のみを通すものである。それに温度補償機能をもたせたのがTC-SAWだ。

PEBAWフィルターは、高性能薄膜弾性波フィルターのこと。RFモジュールは、パワーアンプや低ノイズアンプ、そしてスイッチ機能を1つのラミネートベースのマルチチップモジュール(MCM)としてまとめたものだ。

Sapplandは資金調達と同じ8月に、江蘇省の常州市で開催された第12回「スタートアップ江蘇」科学技術起業家コンペティションで優勝するなどで、技術力を示す。

国内投資機関と政府系ファンドが主導。資金は生産規模拡大などに活用

今回の投資は、中国国内の投資機関と政府系ファンドの主導によって進められた。政府系ファンドが出資した背景には、Sappland自体ももちろんのこと、中国国内のRFフィルター産業の発展を後押しするという事情もあるようだ。

今回調達した資金は研究開発への投資、生産規模拡大や生産効率向上、そして海外市場の開拓や優秀な人材の採用に活用される。

今後数年間で生産規模の拡大や自動化など、RFフィルター分野での技術的リーダーシップを維持するだけでなく、6G時代を見据えた新製品の研究にも力を入れていく。将来的には中国だけでなく、世界の通信産業へのマーケティングを進めていくと見られる。




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  • 記事・コンテンツ監修
    小林 大三

    アドバンスドテクノロジーX株式会社 代表取締役

    野村総合研究所で大手製造業向けの戦略コンサルティングに携わった後、技術マッチングベンチャーのLinkersでの事業開発やマネジメントに従事。オープンイノベーション研究所を立ち上げ、製造業の先端技術・ディープテクノロジーにおける技術調査や技術評価・ベンチャー探索、新規事業の戦略策定支援を専門とする。数多くの欧・米・イスラエル・中国のベンチャー技術調査経験があり、シリコンバレー駐在拠点の支援や企画や新規事業部門の支援多数。企業内でのオープンイノベーション講演会は数十回にも渡り実施。

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