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英国の核融合開発スタートアップ、Tokamak Energyが193億円を調達。高温超電導(HTS)事業部門の成長とトカマク炉ST40の開発・試験・検証に活用

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英核融合エネルギー開発スタートアップのTokamak Energyが$125m(約193億円)を調達した。2024年11月20日、発表。同社は2009年に英国原子力庁(UKAEA)からスピンオフして以来、民間投資家と米英政府から合計で$335m(約517億円)を調達したことになる。

Tokamak Energyは、英オックスフォード近郊に本拠を置く企業。2022年、当地に展開する球状トカマク型核融合実験炉「ST40」において、核融合反応に必要とされるプラズマの1億度を実現した最初の民間企業としても知られる。

ST40(Tokamak Energyプレスリリースより)

米英政府と連携して商業核融合炉の実現を早める

原子核同士を結合させてエネルギーを得る核融合炉は、現在、世界中で開発が進められており、次世代の新エネルギー源として期待されている。Tokamak Energyは核融合炉そのものだけでなく、核融合を実現するための高温超伝導磁石についても、TE Magneticsという部門を設立し開発と産業展開の両面を進める。

同社は、UKAEAの核融合研究所(CCFE、Culham Centre for Fusion Energy)より2009年にスピンオフして設立した。

今回の資金調達後の12月にも、米エネルギー省(DOE)と英国エネルギー安全保障・ネットゼロ省(DESNZ)から$52m(約78億円)の共同出資を受ける計画を発表。目的は、オックスフォードにあるST40のアップグレードをし、米英による核融合パイロットプラント開発での国際的主導権奪取を目指す。さらに、米英の大学ならびに研究機関の研究者がST40を共同利用できるようになるという。

事業会社では古河電工などが投資

今回の資金調達は、ベンチャーキャピタル(VC)主導の下、古河電工やシンガポールの海運大手・BW Groupなどが参加。主たる目的をTE Magneticsの急速な成長の支援とし、核融合エネルギー市場はだけでなく、モビリティ、再生可能エネルギー、セキュリティ分野といった多種の市場からの需要に対応する、とTokamak Energyは説明する。

また、オックスフォードにおけるST40を用いた新しい核融合技術の開発や試験、検証も実施するの発表もあった。

Tokamak EnergyのCEOであるWarrick Matthews氏は、次のようにコメントした。

「Tokamak Energyの使命は核融合エネルギーを実現することだ。それを達成する唯一の方法は強力でグローバルなパートナーシップの構築である。

今回の資金調達は、気候変動とエネルギー安全保障という2つの課題に取り組み、核融合開発の重要なステップを前進させるための経験と能力を高めるものだ」




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  • 記事・コンテンツ監修
    小林 大三

    アドバンスドテクノロジーX株式会社 代表取締役

    野村総合研究所で大手製造業向けの戦略コンサルティングに携わった後、技術マッチングベンチャーのLinkersでの事業開発やマネジメントに従事。オープンイノベーション研究所を立ち上げ、製造業の先端技術・ディープテクノロジーにおける技術調査や技術評価・ベンチャー探索、新規事業の戦略策定支援を専門とする。数多くの欧・米・イスラエル・中国のベンチャー技術調査経験があり、シリコンバレー駐在拠点の支援や企画や新規事業部門の支援多数。企業内でのオープンイノベーション講演会は数十回にも渡り実施。

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