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ローカル大気汚染の分析プラットフォームAclimaのシリーズBでマイクロソフトやRobert Bosch Venture Capitalが出資

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2020年11月19日、米国サンフランシスコに本社を置くAclimaが、シリーズBで40m$以上の資金を調達したことを発表した。この資金調達ラウンドは、Clearvision Venturesがリードし、Microsoft Climate Innovation Fund、Robert Bosch Venture Capital(RBVC)、Plum Alley、Rethink Impactが出資者として参画している。

Aclimaのローカル大気汚染分析プラットフォーム

Aclimaは2007年創業の米国のベンチャー企業である。街のブロック単位で超局所的な大気汚染と温室効果ガスの分析を行うプラットフォームを開発している。

分析対象となっている汚染物質はPM2.5、ブラックカーボン、メタン、エタン、オゾン、二酸化炭素、一酸化炭素、二酸化窒素、一酸化窒素、VOC、温度など様々なパラメーターを同時に追跡・分析が可能。これらを測定するために、同社は独自のセンサーネットワークを形成しようとしている。独自仕様の固定センサーモジュールを自動車に据え付け、センサを積んだ車を街中を走らせることで、街中のローカルな大気汚染状況を分析する。分析結果は、街の大気汚染・温室効果ガス状況として、マッピングされる。

https://www.youtube.com/watch?v=tazZeSM6EFY
同社公開のYoutubeへの直リンク
米国ベイエリアにおける実証実験の発表の様子

14か国150都市で実証実験済み

同社のセンサーネットワーク・分析プラットフォームはすでに14か国、150都市で実証実験の実績がある(ただしどのレベルでの実績かは不明)。現在は、北米のニューヨークからカリフォルニアまで、9つの群で大気汚染のマッピングプロジェクトが進行している。

データ収集が完了して分析された後は、大気質に関するブロックベースでの分析結果がオンラインで公開される。地域、都市、またはブロックの大気汚染物質レベルにいつでもアクセスできるようになる。この大気質の高解像度画像は、大気汚染のホットスポットも示し、政府機関や自治体による、的を絞った大気汚染や温室効果ガスの排出削減の取り組みを可能にするという。

今後の展開

Aclimaは、今回の調達した資金を活用して、接続されたセンサーネットワークとアプリケーションをさらに拡張し、そのカバーエリアを広げていくという。

「Aclimaは、私たちの最も重要なリソースに関する数十億の測定値を毎週生成する、拡張性のあるモバイルおよび固定センサーネットワークを構築しました」と、RBVCのマネージングディレクターであるDr. Ingo Ramesohl氏は述べている。「ボッシュは、輸送、家庭、産業、その他多くの分野で、よりスマートな未来のためのコネクテッドソリューションを発明し、提供しています。Aclimaが接続された環境センシングで達成したことは印象的な偉業です。一緒になって、決定的でデータ主導の気候変動対策を講じる顧客をサポートするAclimaの能力を加速することができます。」

マイクロソフトの気候イノベーション基金のディレクターであるBrandon Middaugh氏は、次のように述べている。「利用可能な最高の科学に基づいた環境持続可能性ソリューションの開発を加速するために、今年初めに気候イノベーション基金を設立しました。私たちは、ハイパーローカルレベルで大気汚染源と曝露をマッピングするAclimaの先駆的なアプローチと、気候の公平性を考慮してデータ主導の環境決定を行うためにこのテクノロジーが持つ可能性に勇気づけられています。」



  • 記事・コンテンツ監修
    小林 大三

    アドバンスドテクノロジーX株式会社 代表取締役

    野村総合研究所で大手製造業向けの戦略コンサルティングに携わった後、技術マッチングベンチャーのLinkersでの事業開発やマネジメントに従事。オープンイノベーション研究所を立ち上げ、製造業の先端技術・ディープテクノロジーにおける技術調査や技術評価・ベンチャー探索、新規事業の戦略策定支援を専門とする。数多くの欧・米・イスラエル・中国のベンチャー技術調査経験があり、シリコンバレー駐在拠点の支援や企画や新規事業部門の支援多数。企業内でのオープンイノベーション講演会は数十回にも渡り実施。

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