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BtoB短距離自動運転配送のGatikがシリーズAで25m$を調達

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2020年11月23日、パロアルトとトロントを拠点とするBtoB向け自動運転配送テクノロジーベンチャーであるGatikが、シリーズAで25m$を調達したと発表した。

この資金調達ラウンドは、FMキャピタルとインタクトベンチャーズの協力を得て、Wittington VenturesとInnovation Endeavoursが共同で主導した。Dynamo Ventures、Fontinalis Partners、AngelPadなどの既存の投資家も参加している。

BtoB短距離物流を狙うGatikのニッチ戦略

Gatikは2017年に設立されたBtoBのミドルマイル(短距離)を対象とした自動運転配送トラックを開発している。同社のプレスリリースによると、これまでの総資金調達額は29.5m$になるという。

GatikはBtoB短距離物流というニッチな領域に特化してソリューションを構築している。2019年6月にはウォルマートが、自律配送の最先端の取り組みとしてGatikの自律運送フリートを運用することを発表した。

https://www.youtube.com/watch?v=lj09XeTztMA
同社公開のYoutubeへの直リンク
ドライバ―は乗っているが、運転はしていない様子が伺える

Gatikは現在、北米を横断する複数の場所で、1日12時間、毎日300マイルまでのルートを運行するフリートを運用している。同社によると、ここまでで米国とカナダにおけるFortune500企業のユーザーからの注文は3万件を超えるという。

Googleの前CEOエリックシュミットが共同設立したVCからも出資

今回のリードインベスターの1社であるInnovation EndeavorsというVCは、Googleの前CEOであるエリック・シュミットが共同設立者の1人でもあるVCであり、同社は前回ラウンドから参加している。

Gatikはこの資金を使用して、北米全体での事業拡大、シリコンバレーでのチーム規模拡大、カナダでのプレゼンスの拡大を図るという。


- 技術アナリストの目 -
自動運転のトラックが話題に挙がることが一気に多くなってきた。現在、配送業界はEコマースやフードデリバリーの増加により、ドライバー不足が世界で課題となっている。同社は軽トラックから中型トラックを利用する小売業向けに特化することで、素早く完成度を高めようとしている。特にウォルマートとの取り組みがどのように広がるか、今後注目したい。

  • 記事・コンテンツ監修
    小林 大三

    アドバンスドテクノロジーX株式会社 代表取締役

    野村総合研究所で大手製造業向けの戦略コンサルティングに携わった後、技術マッチングベンチャーのLinkersでの事業開発やマネジメントに従事。オープンイノベーション研究所を立ち上げ、製造業の先端技術・ディープテクノロジーにおける技術調査や技術評価・ベンチャー探索、新規事業の戦略策定支援を専門とする。数多くの欧・米・イスラエル・中国のベンチャー技術調査経験があり、シリコンバレー駐在拠点の支援や企画や新規事業部門の支援多数。企業内でのオープンイノベーション講演会は数十回にも渡り実施。

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