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中国の自動運転ベンチャーWeRideがシリーズBで約200億円の資金調達を実施したと発表

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2020年12月23日、中国の自動運転ベンチャーであるWeRide(文远知行)がシリーズB1の資金調達を実施したと発表した。資金調達額は200m$(約200億円)だという。

今回の出資は中国最大のバスメーカーであるYutong Groupから行われたもの。自動運転フリートを開発するWeRideと、中国最大のバスメーカーの1つである鄭州に本社を置くYutongが協力して、ミニバスや市内バスなどで自動運転技術の適用を推進するという。

200億円もの巨額資金を集めたWeRideとは

WeRideはレベル4の自動運転システムを開発している中国のベンチャー企業。2017年に設立ばかりであるが、同社はこれまでに400m$以上もの資金を調達している。

2018年にはシリーズAで、日産・ルノー・三菱自動車の戦略的ベンチャーキャピタル部門であるAlliance Venturesをリードインベスターとして、80m$もの資金を調達したことで話題となった。

2019年には広州で、中国国内初となるロボタクシーのサービス実証を開始。このサービスは、WeRideと広州のタクシー会社、そして広州の都市開発を行う特定目的会社のScience City(Guangzhou)Investment Groupの3社の合弁会社であるWenyuan Yuexingによって提供されている。

https://www.youtube.com/watch?v=jG029dpjlKk
同社公開のYoutubeへの直リンク

上記の動画を見ると、すでに数多くのユーザーをロボタクシーに乗せて運用されていることがわかる。

また、2020年7月には、中国で初となる公道でのリモートテスト走行の認可を得て、完全無人の走行を広州のロードテストコース内で実施している。


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ー 技術アナリストの目 -
Pony.aiによるシリーズCの動きなど、最近、中国における自動運転への投資が加速している。中国のすごいところは、こうしたイノベーションが起こる領域に桁違いの資金が一気に流れ込み、サービス実証が行われるスピード感だ。日本においてもZMPと日の丸交通が自動運転タクシーの実証実験を行っていたりと決して事例が無いわけではないが、WeRideが2019年12月に広州でロボタクシーを運用し始めて初月だけで8,000件を超える乗車を提供しているのを見ると、中国のスピードがとても早いのを感じる。
  • 記事・コンテンツ監修
    小林 大三

    アドバンスドテクノロジーX株式会社 代表取締役

    野村総合研究所で大手製造業向けの戦略コンサルティングに携わった後、技術マッチングベンチャーのLinkersでの事業開発やマネジメントに従事。オープンイノベーション研究所を立ち上げ、製造業の先端技術・ディープテクノロジーにおける技術調査や技術評価・ベンチャー探索、新規事業の戦略策定支援を専門とする。数多くの欧・米・イスラエル・中国のベンチャー技術調査経験があり、シリコンバレー駐在拠点の支援や企画や新規事業部門の支援多数。企業内でのオープンイノベーション講演会は数十回にも渡り実施。

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