自動運転向け高精細3Dマップを開発するベンチャーのDeepmap
自動運転において、センサーやそれを処理するアルゴリズムと同様に大事なのが、HDマップだ。
元々マップデータは欧米ではTomTomやHERE、日本ではゼンリン等が有名である。これらの企業は従来、カーナビ用の地図データを作成してきた。一方、自動運転、とりわけレベル3以上となるとカーナビ用の地図データでは情報が不足している。そのため、自動運転に使うことを想定した3D HDマップの作成に様々な企業が取り組んでいる。
その中の1社で急成長しているのが中国のベンチャー企業であるDeepmapだ。
成長著しいベンチャーDeepmapとは?
Deepmapは2016年にシリコンバレーで設立されたベンチャー企業だ。現在は米国と中国でオフィスを構える。同社は設立からわずか4年足らずで92m$もの資金を調達している急成長企業だ。なお、直近では2018年にシリーズBを行い、この時に60m$の資金を調達した。
同社に出資をするのは有名VCからCVCまで様々だ。アンドリーセンホロヴィッツやロバートボッシュベンチャーキャピタル、シリコンバレーでアーリーステージのベンチャーに投資をするAccel Partners、NVIDIAのCVCであるNVIDIA GPU Venturesなどが同社に出資をしている。また、フォード、ホンダ、上海汽車、ボッシュ、ダイムラー等のOEM・Tier1とも提携している。
創業者であるCEOのWu氏は、かつてGoogleでGoogle Earthのテックリードを務め、Appleではビッグデータ解析の技術リーダーを担い、Baiduで自動運転プロジェクトを担当した経歴を持つ。
同社は、自動運転に必要な高精細マップを各社が独自に製作しようとしているが、スケーラビリティが無いため、広範な地域の高精細3Dマップを作ることにチャンスがあると見ている。
高精細3Dマップの作成においては、点群データをLiDARを使い収集し、カメラのデータと合わせてデータのセグメンテーションを行い、交差点、道路標識、交通規制、車線など、車両の環境に関する多数の情報をリアルタイムで提供する。マップの精度はcmオーダーだという。
レベル2+向けのクラウド上のマップデータも発表
同社は元々レベル4以上を対象とした開発を行っていたが、2020年10月にレベル2+向けのクラウド上のマップデータについて、NVIDIA GPUテクノロジーカンファレンスで発表した。これは、レベル2+で高性能のハンズフリー運転を実現できるようにするために開発されたもの。
「DeepMapHDRを使用すると、企業はクラウド上で更新されるHDマッピングにより速度、精度、効率を大幅に向上させると同時に、運転における安全性、信頼性を向上させることができます。」と、元ロバートボッシュのエグゼクティブで現在同社のアドバイザーのHermann Kaess氏は述べている。
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