中国の新興EVメーカーのXpengがLivoxのLiDARを2021年生産モデルへ採用
中国のスマートEVメーカーのXpeng(小鹏、シャオペン)が、大手ドローンメーカーのDJIの子会社であるLivoxのLiDARを2021年生産モデルで採用することを、2020年12月31日に発表した。
XpengはLiDARの採用を11月に発表していた
Xpengは、Auto Guangzhou 2020(オート広州2020)で2021年生産モデルへLiDARを搭載すると2020年11月に発表していた。今回の発表はその続報としてLivoxのLiDARを採用することを決めたもの。
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採用された中国企業Livoxとは
Livoxはドローン大手DJIの子会社として2016年に香港で設立されたLiDARメーカー。DJIはドローンで培ったモーターによる機械設計のノウハウと、DJI傘下に収めているカメラメーカーHASSELBLADのレンズ開発の技術力などを組み合わせ、Livoxとして参入した。
Livoxは既存のコンポーネントを上手く組み合わせること、一貫した生産ラインを整備することで既存のLiDAR製品に比べて大幅にコストを低減することに成功。自動運転レベル3・レベル4用に設計された高性能LiDARのHORIZONで99,000円と、低コストでかつ最大260mにもなる長距離検出範囲を実現していた。
注)その後、スペックの詳細が公開されており、上記の260mは反射率80%のケースでした。反射率10%では90mのようです。ミスリードになってしまうため、補足させていただきました。
特に自動車向けには近年力を入れており、設立から4年間、研究開発にかなりのリソースを注ぎ続けて、ようやくXpengでの採用に至っている。
非反復走査方式によるLiDAR
同社のLiDARはいわゆるレーザーを照射してスキャンする水平リニア走査方式ではなく、非反復走査と言われる。
これは、プリズムを回転させながら面で周辺をスキャンしていく方法だ。通常の水平リニア走査では、水平方向にしかレーザーをスキャンさせないため、線と線の間がセンシングされないままとなり、それを埋めるためにデータ演算が膨大となる。同社の方式であれば、一気に同じ領域内を走査するため、計測する時間が増えるにつれて描写密度が高くなるという。
やや3Dフラッシュにスキャン方式が近いが、同社の方式はプリズムを回転させるという回転機構があり、面で走査を行っているため厳密には3Dフラッシュとは異なると思われる。
Xpengはカメラ、ミリ波レーダー、LiDARを統合した自動運転プラットフォームを構築
Xpengの自動運転プラットフォームには、カメラ、ミリ波レーダー、超音波、その他のセンサーが統合されている。今回のLiDARを追加し、道路状況をより正確に画像化し、安全性の冗長性が向上するだけでなく、困難な知覚条件でのパフォーマンスを向上させるという。
Xpeng向けのLiDARでは、検出範囲が150m(反射率10%)、水平FOVは120°となるようだ。従来の自動車向けであったHorizonは検出範囲260m(反射率80%の数値、反射率10%では90m)、水平FOVは81.7°であったため、Horizonから改良されているようだ。(なお、点群密度などの他のスペックは現時点では不明)
MEMS LiDARやFMCW LiDAR、フェーズドアレイなど、方式別の技術動向や特徴について知りたい方はこちらも参考。
参考記事:(特集) 車載LiDARの技術動向 ~種類・方式の特徴と全体像~
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