(特集) 空飛ぶ車・アーバンエアモビリティの世界ベンチャー企業動向
※2021年6月23日にいくつかの最新情報をアップデートしています。
エアモビリティの領域が注目されている。特に飛ぶ車やFlying Car、またはPersonal Air Mobilityとも言われる領域は、様々なベンチャー企業や大手企業が参入を始めている。
日本においても、2020年1月にトヨタ自動車が、エアタクシー市場向けのeVTOLを開発する米国ベンチャーのJoby Aviationに約433億円の出資を行ったことが話題となった。また、2020年8月には日本のベンチャー企業のSkyDriveがシリーズBで39億円もの資金調達をおこなっている。
海外でもHyundaiやUberなど、大手企業による参入が相次いでおり、航空機業界、自動車業界、タクシー業界などが入り混じって市場が形成されようとしている。
今回は、エアタクシーやパーソナルエアモビリティなど、少人数の有人飛行を行うエアモビリティに焦点をあてて、スタートアップについて紹介をする。
注)エアモビリティの業界の範囲は幅広い。近年注目されているのは、エアタクシーのようなアーバンエアモビリティの領域(都市の空を対象としたもの)や、プライベートで数人を対象とした有人飛行を行う車のような乗り物、またはUAV(Unmanned Aerial Vehicle:無人航空機)で物を運搬するようなもの、などが挙げられる。今回、紹介しているのはいわゆる産業用UAVについては省いている点は注意だ。
数多く存在するベンチャー企業の動向
約30社弱存在するパーソナルエアモビリティスタートアップ
少人数の有人飛行を行うエアモビリティ領域において、当社調べによると海外のスタートアップでおおよそ30社程度、100以上の機体モデルが存在している。非常に話題性が高いため、露出も多いこの分野であるが、実は資金調達が進むスタートアップというのは現時点ではかなり絞られる。
注)なお、UAV・大型ドローンも含むとまた状況は変わる。今回はあくまで人の輸送を対象としたエアモビリティに特化して調査をしている。
少人数向けと大人数向けで機体セグメントが異なる
主要各社の機体スペックについて整理すると、以下の表に整理される。なお、この段階ではコンセプト実証モデルであったりする機体もあるため、実際に開発が進むとこうしたスペックは変更される可能性がある点は要注意だ。(特に現在の乗員数はドライバー込みの人数であり、初期はドライバー付きであることを想定するも、将来的には無人運転を狙っている企業も多い)
各社の機体スペックの整理
注1) 機体サイズの単位はm(メートル)
大きく分けると、大型機であるJoby Aviation、Lilium、AeroMobilらは電動モーターを数多く積載し、最大速度も速く、飛行距離が長い。用途としては近距離というよりは、例えば郊外から都市部への移動、といったような、中距離移動でのエアタクシーサービスや、多人数が乗るライドシェアなどが想定されるだろう。
一方で、小型機である2人乗りの機体を開発するEHangやVolocopter、VRCO、Archer、SkyDrive等の企業は、近距離での移動を用途として想定していると考えられる。これは近距離での物の輸送、近距離だが湖や海をまたぎ、陸地経由では時間がかかるような場所でのエアタクシー、観光用途などが想定される。
おおよそ実用化は2023年~24年あたり
なお、おおよそどの企業も実用化のタイムラインは2023年~24年あたりとなっており、あと2-3年のタイミングで初期の量産化が始まると想定される。
- Joby Aviation ・・・ 2023年までに空飛ぶタクシーの商用化を狙う
- Lilium ・・・ 2025年に大量生産(24年までに認証取得し工業化)
- Volocopter ・・・ 2023年までに商業サービス開始
- EHang ・・・ 2021年内に初期量産開始
- Aeromobil ・・・ 2023年に販売開始予定
- Archer ・・・ 2024年にユナイテッド航空へ納入開始
- SkyDrive ・・・ 2023年に販売開始予定
上記の量産化に伴い、2021年はさらに多くの有人飛行実験が行われていくだろう。また、徐々にエアタクシーなどのビジネスモデルのフィージビリティスタディも実施されていくと想定される。
JobyやLiliumなど主要ベンチャーの概要
Joby Aviation(米国) ~トヨタがシリーズCに参画~
- SPACで2021年第二四半期までに合併後、NYSEへ上場予定
- 設立年 :2009年
- 国 :米国
- 従業員数 :501-1,000名
- 資金調達フェーズ:Corporate Round
- 最新資金調達日 :2020年12月
- 最新資金調達額 :75$
- 総資金調達額 :796m$ +SPACで最大1,600億円を調達
2020年1月にトヨタ自動車が約433億円の出資を行ったエアモビリティベンチャーである。同社は2009年に設立されており、eVTOL(電動垂直離着陸機)の開発を10年以上行っている。高速かつ静音である低価格なエアタクシー用eVTOLを手掛けている。
2017年までにサブスケールモデルとされる4人乗りの機体でのテストフライトも先行しており、FAA(アメリカ連邦航空局)の認証プロセスの手続きに入っている。2021年2月9日には、米国連邦航空局FAAとの間で、G-1認証基準で合意をしたことが発表されており、その進捗が報告された。
参考:トヨタが出資するエアモビリティJoby Aviationが認証に向けての進捗を発表
また、2021年2月にはSPACのスキームを使って米国ニューヨーク証券取引所に上場することを発表。特定目的買収会社のReinvent Technology Partnersと合併する。2021年第二四半期までに取引を完了し、最大1,600億円の資金を調達することになる。合わせて、同社は2024年までに米国でエアタクシーサービスを開始することも明らかにした。
参考:空飛ぶ車のJoby AviationがSPACで上場すると発表
Lilium(ドイツ) ~開発で先行する5人乗りeVTOL~
- SPACで2021年第二四半期までに合併後、NASDAQへ上場予定
- 設立年 :2015年
- 国 :ドイツ
- 従業員数 :501-1,000名
- 資金調達フェーズ:Venture - Series Unknown
- 最新資金調達日 :2020年6月
- 最新資金調達額 :350m$
- 総資金調達額 :376m$ +SPACで最大917億円の資金を調達
2015年設立の5人乗りのeVTOLを開発するドイツのスタートアップである。用途は地域のエアモビリティ用途を想定しており、都市部でも運用可能にするために低ノイズ性に優れ、飛行速度300km、飛行時間は60分までとなっている。現行の設計では、パイロット1名と乗客4名の合計5名での搭乗が可能。
eVTOLに備わっている36個の電気モーターは、抗力を低減して効率を最適化するために翼に統合されている。独自の音響モデリングソフトウェアを活用し、ノイズ低減のための設計最適化を行う。結果として、離陸時にはおおよそトラックが通過する音量と同程度になるという。
2019年に初飛行を実現した同社は、2024年中までに機体開発と認証を終え、2025年から世界中の様々な都市で運用を開始することを狙っている。
参考:ドイツのLiliumがFerrovialとeVTOL用のポートをフロリダに10か所以上整備すると発表
同社は2021年3月30日に、SPACにより前ゼネラルモーターズNorth Americaの責任者であるBarry Engle氏が率いる特別買収目的会社Qell Acquisition Corpと合併することを発表。2021年第二四半期までに取引を完了し、米国新興市場のナスダックに上場する。この取引を通じて、合併後の会社は総額で830m$(約917億円)もの資金を調達することになる。
また、同社は7人乗りの機体の開発を行っていることも合わせて発表した。2024年には90台の機体を生産し、2025年には325機の生産を行うことを計画している。
参考:空飛ぶ車ベンチャーのLilium(リリウム)のSPACを解説
Volocopter(ドイツ) ~大型の電動エアタクシーを開発~
- 設立年 :2011年
- 国 :ドイツ
- 従業員数 :251-500名
- 資金調達フェーズ:SeriesD
- 最新資金調達日 :2021年3月
- 最新資金調達額 :240m$
- 総資金調達額 :378m$
2011年にドイツで設立されたエアモビリティスタートアップ。創業時にはすでに有人飛行のテストフライトでのPoCを成功させており、同社は実に電動飛行機体の開発を約9年間行っている。
2016年には、同社が開発する2人乗りのVoloCityは世界初の有人の完全電気マルチコプターとして飛行許可を与えられ、2017年にはドバイでテスト飛行を開始。2019年に欧州SESAR共同事業としてヘルシンキ国際空港でもテスト飛行を開始したり、シンガポールのマリーナベイ上空をテスト飛行するなど、すでに都市部でテスト飛行を頻繁に行っている。
その後、同社はVoloCityを応用してVOLODRONEという重い物を運ぶドローンも開発。物流、インフラストラクチャ、農業、公共サービスといった分野での事業化を狙う。
VoloCityの実用化までのタイムラインについて、同社は2-3年後を狙っているとされ、まずはドバイやシンガポールなどの限定された地域で実際にサービス開始を狙っているという。(注:ただし認証などの手続きにより時期が遅れる可能性があることは注意)なお、日本においてもJALとの協業が発表されており、日本における商業サービス化を2023年までに行うという。
同社は2021年3月3日にシリーズDで258億円を調達。日本からもNTTや金融・リース大手の東京センチュリー、そして自動車部品大手のコンチネンタルらが参画した。
参考:VolocopterがシリーズDで約258億円を調達、NTT・コンチネンタルも参加
また同社は最近公開したホワイトペーパーの中で、実用化に向けた各種課題とその考え方を発表。ホワイトペーパーの中で、同社のターゲットは都市内移動(35km圏内で、空港-都市間の移動も含む)であり、サービスの立ち上げは以前から触れられているように、シンガポールとパリで開始することが改めて発表された。
参考:Volocopterの最新のホワイトペーパーにおけるエアタクシー・エアシャトルの要点
最新動向では、これまで開発してきた2人乗りの近距離輸送のVoloCityに加えて、中距離輸送用の機体であるVoloConnectを開発していることを、2021年5月に発表した。これは郊外と都市部を結ぶ4人乗りのモデルとなっており、飛行距離は100kmとなっている。中距離セグメントに参入したことになる。
参考:Volocopterが郊外-都市を結ぶ中距離輸送用の新しい機体を発表
EHang(中国) ~2人乗りの自律飛行eVTOLを開発する企業~
- 設立年 :2014年
- 国 :中国
- 従業員数 :101-250名
- 資金調達フェーズ:Post IPO Equity
- 最新資金調達日 :2019年12月(※この月にナスダックに上場し資金を調達)
- 最新資金調達額 :40m$
- 総資金調達額 :92m$
EHangは、自律型航空機技術プラットフォームを開発するエアモビリティスタートアップ。2019年12月には米国の新興企業向け市場であるNASDAQに上場し、40m$の資金調達に成功している。
同社が対象としている市場は幅広く、アーバンモビリティに関連する領域全般であり、旅客輸送、ロジスティクス、スマートシティ管理、空中メディアソリューションなど想定用途は多岐に渡る。
2人乗りのアーバンエア輸送機EHang AAVは、最高速度130km/h、最大積載220kgの時に35kmの距離を飛行することができる。驚くことにこのeVTOLは自律飛行タイプとなっており、パイロットがいない状態で、すでに安定した有人飛行を実現している。2020年7月に、中国東部の沿岸都市・煙台での観光試験飛行を発表し、実際に乗客が乗っている様子を動画で発表している。(飛行の様子の動画一覧はこちら)
また、2021年2月には北京での無人飛行試験を無事に完了したと発表。同社が発表したところによると、首都北京の上空を無人飛行するというのは初めてのことであるという。
参考:中国の自律飛行eVTOLを開発するEHangが北京での無人飛行試験を完了
同社はその後、2021年4月にEHang216に続く新しい中長距離用の機体VTシリーズを開発していることが明らかにされた。このVTシリーズは2年前に計画が策定され、その後表で発表されることなく、内部で極秘で開発が進められてきたプロジェクトとなっている。
参考:EHangが2020年の業績報告と今後の戦略を発表、次世代機体VT30にも言及
Aeromobil(スロバキア) ~2020年にテストフライトを成功させた空飛ぶ車~
- 設立年 :2010年
- 国 :スロバキア
- 従業員数 :51-100名
- 資金調達フェーズ:Venture - Series Unknown
- 最新資金調達日 :2019年7月
- 最新資金調達額 :N.A.
- 総資金調達額 :28.5m$以上
スロバキア発ベンチャーというやや珍しい企業である。都市内および都市間環境でのドアツードア旅行用に設計された、個人用航空機・eVTOLを開発している。
同社の機体はいわゆる「空飛ぶ車」そのものであり、通常時は自動車として走行しながら、必要な時には翼を広げて空を飛ぶことができるというコンセプトである。
以前より有人のテストフライトは実施しており、AeroMobil3.0のテスト機体は一度事故が起こったが搭乗者はパラシュートにより脱出し、大事には至らなかった。現在はAeroMobil4.0の機体が稼働しており、ver5.0がコンセプトとして発表され開発が進んでいる。新しいバージョンでは4人乗りに機体が拡大。高速道路の運転機能を備えたVTOLとして、ドアツードアの旅行に使用される、富裕層のスーパーカー購入者やフライト愛好家を市場の対象として、実際に販売をしようとしている。2022年にはver4.0を販売開始する予定で、事前注文を受け付けているようであるが、法規制や運用面もあるため実際にどうなるかは現段階では不透明である。
Terrafugia(米国) ~中国大手自動車OEMのGeelyが支援する空飛ぶ車~
- 設立年 :2006年
- 国 :米国
- 従業員数 :51-100名
- 資金調達フェーズ:M&A(Geely Holdingsに買収)
- 最新資金調達日 :2017年7月に買収される
- 最新資金調達額 :N.A.
- 総資金調達額 :6.8m$以上
Terrafugiaは受賞歴のある5人のMIT卒業生によって2006年に米国で設立されたベンチャー企業。2017年7月に中国のGeely Holdingsによって買収され、浙江吉利控股集団有限公司と、Geely子会社のボルボカーズ、ロータスカーズ、CEVTの支援を受けて開発を進めている。
同社が開発する空飛ぶ車Transitionは、乗客2名とドライバー1名の機体となっている。ボタンを押すと1分以内でドライブモードからフライトモードへトランジションを行うことができる。エンジンで稼働するタイプとなっており、ドライブモードでは電気モーターも使うハイブリッドシステムである。
最高速度は時速161km、積載量は227kg(最大ではなく、Useful Loadという表現がされている)、積載量の前提が不明だが最大飛行距離は644kmとなっている。
同社は2つ目の機体であるTF-2も開発している。これは、航空機と自動車が合わせられたような機体となっており、乗客室・貨物室がある。縦に長いバン(輸送車両)に翼がついたようになっていて、こちらは8つの電気モーターで飛行する。
Archer(米国) ~SPACで上場を予定しているベンチャー~
- SPACで2021年第二四半期までに合併後、NYSEへ上場予定
- 設立年 :N.A.(注1)
- 国 :米国
- 従業員数 :51-100名
- 資金調達フェーズ:N.A.
- 最新資金調達日 :N.A.
- 最新資金調達額 :N.A.
- 総資金調達額 :N.A. +11億ドル=約1,100億円を調達予定
注1) Crunchbase上は2020年設立となっているが、ステルスモードを脱して外部に露出を始めたのが2020年であり、実際はもっと以前より企業はあった。
Archerは設立からステルスモードで機体の開発を続けており、昨年ほぼ初めて外部に露出し、一気に注目を集めているベンチャー企業である。今年に入って、FCA(フィアットクライスラー)と提携を発表。また、ユナイテッド航空が最大200機のeVTOLを購入するための提携を行ったと発表があった。同社には経験豊富なエンジニアチームが集まっており、後述するベンチャー企業のWisk(Kitty Hawkからのスピンオフ)やエアバスの元エンジニアが数多く在籍している。
参考:ユナイテッドがArcherと提携し、200機のeVTOL導入でエアタクシーへ参入
時速150マイル(約240km/h)でフライト可能な、4人乗りでのeVTOLを開発している。この機体は6枚の5枚刃の傾斜プロペラとVテール、そして143kWhのバッテリーセルを備えており、現時点では60マイル(約96km)の距離を飛行することができる。
SPACを利用してIPOすることも発表しており、2021年第二四半期に取引を完了させる予定だという。この取引で得られる見込みの資金は、11億ドル(約1,100億円)という計画だ。
参考:【CES2021】空飛ぶ車・eVTOLはGMの参入が発表、同時にフィアットクライスラーも参入
VRCO(英国) ~空のスーパーカーを狙う英国発スタートアップ~
- 設立年 :2016年
- 国 :英国
- 従業員数 :N.A.
- 資金調達フェーズ:N.A.
- 最新資金調達日 :N.A.
- 最新資金調達額 :N.A.
- 総資金調達額 :N.A.
個人向けの空飛ぶ車NeoXcraftを開発している英国で立ち上がったベンチャー企業。日本においてはエアモビリティ株式会社が独占販売権を取得したことが発表されている。技術パートナーは英国のダービー大学であり、NeoXcraftの実現可能性と電力最適化の研究が実施されていた。
グラフェンナノ材料で強化された高度な軽量複合材料で設計されたこの機体は、2人乗りの小型機となっており、2021年に運用テストを行い、2022年に認証を取得して、販売を開始する予定であるとしている。
VRCOはこの機体を空のスーパーカーとして、個人用の富裕層をターゲットとして販売することを計画しており、現在、HP上でもユーザー候補が予約し、直接購入候補者と創立者のMike・Danが話をして少量台数を2020-21年に出荷するとしている。(実際に出荷されているのかは不明)
SkyDrive(日本) ~万博での実現を目指す日本の空飛ぶ車~
- 設立年 :2018年
- 国 :日本
- 従業員数 :約50-60名
- 資金調達フェーズ:シリーズB
- 最新資金調達日 :2020年8月
- 最新資金調達額 :39億円
- 総資金調達額 :57億円
2012年に発足した有志団体「CARTIVATOR」のメンバーが中心となって、本格的な事業化を行うために2018年に設立されたベンチャー企業。シリーズBで数多くの日本企業も出資を行い、日本を代表する空飛ぶ車のベンチャー企業となっている。
2023年の販売を目指して開発中であり、大阪万博でもデモフライトを行うことが想定されている。大阪府としては、大阪市の人工島、夢洲(ゆめしま)に関西国際空港などから海上を渡ってアクセスできるようにする計画があるようだ。
Wisk Aero(Kitty Hawk)(米国) ~ボーイングとKittyによる合弁~
- 設立年 :2019年
- 国 :米国
- 従業員数 :101-250名
- 資金調達フェーズ:N.A.
- 最新資金調達日 :N.A.
- 最新資金調達額 :N.A.
- 総資金調達額 :N.A.
元々はKitty Hawkというベンチャー企業が2010年に設立され、個人向けレクリエーション機「Flyer」を開発していた。Google共同創業者ラリーペイジからも出資を受けたことから話題になったKitty Hawkであったが、2019年にボーイングとの合弁会社としてWisk Aeroが立ち上がり、その後2020年にFlyerは開発が中止となった。
元々は個人購入用の機体として始まったプロジェクトであったが、現在はWiskでエアタクシーの実用化に向けて自律走行型eVTOL「Cora」の開発に注力をしている。
なお、ArcherのIR資料には元Kitty Hawkのエンジニアが大量に在籍していることが書かれており、上記のような背景があり競合へとエンジニアが流れているようだ。
同社は直近では、Blade Urban Air Mobility社と提携を発表。最大30台のeVTOLをWiskが保有した上でブレード社へ提供し、ブレード社が運用することを発表した。ブレード社はエアタクシーサービサーであり、現在はヘリコプターで運用がされている。今後、WiskのeVTOLの開発・認証が終わった後に最大30台を運用することになる。
参考:Wiskがブレード社と提携、最大30台のeVTOLを保有・提供
【世界の空飛ぶ車・エアモビリティの動向を調査したい方】
世界の空飛ぶ車・エアモビリティのロングリスト調査や、空飛ぶ車のプロジェクトの動向調査、定点観測などのリサーチに興味がある方はこちら
グローバル技術動向調査:詳細へ
CONTACT
お問い合わせ・ご相談はこちら