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下肢障害支援の外骨格ウェアラブルロボットを開発するReWalkが40m$の資金を調達

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下肢障害を持つ個人向けの外骨格ウェアラブルロボットを開発するReWalkが、40m$(約43億円)の資金を調達したことを、2021年2月26日に発表した。今回調達した資金は市場開発活動・マーケティング、及び将来の家庭で個人が利用する軽量エキソスーツ技術の研究開発に使うという。

医療機器としての個人向け外骨格ウェアラブル

ReWalkは米国新興市場のナスダックに上場しており、米国・ドイツ・イスラエルに拠点を構えて事業を展開している。脳卒中のリハビリテーションと脊髄損傷のソリューションとなる、個人向けの外骨格ウェアラブルロボットを提供している。

https://www.youtube.com/watch?v=gGTYXxc7aVA&t=45s
同社公開の動画への直リンク
同社の外骨格ウェアラブルを使ってユーザーが歩く様子がわかる

ReWalkは現在2種類の製品を展開しており、ReStoreエキソスーツという脳卒中による下肢の障害を持つ個人のリハビリテーションに使用するためのウェアラブルスーツと、ReWalkシステムという股関節と膝関節にバッテリー駆動のモーターを備えたウェアラブルスーツとなっている。どちらも米国FDAの医療機器認定を受けており、特にReStoreは最新の製品となっており、2019年にFDAとCE Markを取得したばかりだ。

このReStoreは、患者の足と足首の障害に対して協調的な足底屈と背屈の動きを行うように支援をすることができる。動力は、腰部ベルトに取り付けられたモーターからケーブルを介してふくらはぎの取り付けポイントと患者の靴に配置されたインソールに伝達される。そして、患者の靴に取り付けられたセンサーが動きを検出し、支援のタイミングを制御する。

同社は2001年に設立され、2014年には米国ナスダックに上場している。Crunchbaseによるとこれまでの資金調達総額は121.7m$(約132億円)にも上り、日本の安川電機も出資をしている。これまで調達してきた金額は大きい一方で、2月に2020年の決算についても発表しており、直近2020年は440万ドル(約4.8億円)の売上に留まっている。

(今回参考のプレスリリースはこちら


  • 記事・コンテンツ監修
    小林 大三

    アドバンスドテクノロジーX株式会社 代表取締役

    野村総合研究所で大手製造業向けの戦略コンサルティングに携わった後、技術マッチングベンチャーのLinkersでの事業開発やマネジメントに従事。オープンイノベーション研究所を立ち上げ、製造業の先端技術・ディープテクノロジーにおける技術調査や技術評価・ベンチャー探索、新規事業の戦略策定支援を専門とする。数多くの欧・米・イスラエル・中国のベンチャー技術調査経験があり、シリコンバレー駐在拠点の支援や企画や新規事業部門の支援多数。企業内でのオープンイノベーション講演会は数十回にも渡り実施。

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