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Wiskがブレード社と提携、最大30台のeVTOLを保有・提供

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アーバンエアモビリティのeVTOLを開発しているWiskが、Blade Urban Air Mobilityと提携して、最大30台のeVTOLをWiskが保有した上でブレード社へ提供し、ブレード社が運用することを発表した。

ボーイングとKittyの合弁であるWisk

Wiskは航空機大手のボーイングとKitty Hawk(eVTOLベンチャー)が合弁で2019年に設立したベンチャー企業。Kitty Hawkが10年間開発してきたeVTOLの技術が元になっており、Kitty Hawk時代は個人購入用の機体を開発していたが、エアタクシー用途での機体開発にピボットした。

Wiskが開発する機体は、固定翼と複数のプロペラ、そして12個の独立したリフトファンを持つ。現在の実験機では最大時速160kmで、40kmの距離を飛行することができる。

https://www.youtube.com/watch?v=aGu-3OT_YwI
同社公開の動画への直リンク

エアタクシーサービサーのBlade社

一方のブレード社であるが、すでに米国でエアタクシーサービスを開始している特徴的な企業だ。「アセットライトモデル」と表現される同社のビジネスモデルは、機体・パイロットを他社から提供を受け、自社のエアタクシーネットワークで運用する。ただし、現在ブレード社が提供しているエアタクシーはeVTOLではなく、ヘリコプターによって実施されているようで、eVTOLに置き換えることで、その利用シーンを増やしたいという意図がある。

ブレード社はこれまでに20万人のユーザーを輸送し、2019年の実績として1年間で約4万回の商業フライトを行い、売上は33m$(約35.8億円)、運行ルートは10ルートとなっている。ちなみにブレード社はこの売上を2024年までに10倍以上の402m$(約436億円)にする計画を持ち、特別目的買収会社であるExperience Investment Corp.(NASDAQ:EXPC)との合併による、SPACスキームを使ったIPOを行うことを昨年末に発表している。

次世代航空管理に向けたワーキンググループも形成

Wiskとブレード社は、今回の提携によって次世代航空管理に向けたワーキンググループを形成し、アーバンエアモビリティサービスに関するブレード社の6年間の経験を活用して、将来的なWiskが開発する機体の設計原則を定めるという。

Wiskは現在、実験型式証明に従って自律型eVTOL航空機を運用しており、可能な場合はブレード社の主要サービスエリアで初期テスト飛行を開始する予定だ。

ブレード社のCEOであるRob Wiesenthal氏は、次のように述べている。
「Wiskと協力して、従来の回転翼航空機から、安全で静かな、排出物のない電気垂直航空機へのブレードのサービス移行を加速することを楽しみにしています。」

ブレード社は様々な要件に基づいて、複数のEVA(eVTOLのこと)を利用する予定であり、最近、2024年後半に展開を開始する予定のサードパーティメーカーから、パイロットEVA機体を20機確保したと発表している。

 

今回参考のプレスリリースはこちら


アーバンエアモビリティの世界のベンチャー企業動向を整理したものはこちらも参考。

参考:(特集) 空飛ぶ車・アーバンエアモビリティの世界ベンチャー企業動向


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  • 記事・コンテンツ監修
    小林 大三

    アドバンスドテクノロジーX株式会社 代表取締役

    野村総合研究所で大手製造業向けの戦略コンサルティングに携わった後、技術マッチングベンチャーのLinkersでの事業開発やマネジメントに従事。オープンイノベーション研究所を立ち上げ、製造業の先端技術・ディープテクノロジーにおける技術調査や技術評価・ベンチャー探索、新規事業の戦略策定支援を専門とする。数多くの欧・米・イスラエル・中国のベンチャー技術調査経験があり、シリコンバレー駐在拠点の支援や企画や新規事業部門の支援多数。企業内でのオープンイノベーション講演会は数十回にも渡り実施。

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