デジタルヘルスプラットフォームのHumaがシリーズCで約142億円の資金を調達
デジタルヘルスプラットフォームのHumaは、シリーズCで130m$(約142億円)の資金を調達したことを発表した。
このデジタルヘルスプラットフォームには有名なCVC、事業会社、そして著名な個人投資家がこぞって出資を行っている。今回の資金調達ラウンドは、製薬企業のバイエルと日立ベンチャーズがリードインベスターとして主導し、Samsung Next、ソニーイノベーションファンドIGV、ユニリーバーベンチャーズ、HAT Technology & Innovation Fund、そして個人投資家としてソフトバンク前社長のニケシュアローラ、アリアンツ会長のミヒャエルディークマンらが新規投資家として参画した。
在宅病院を実現するプラットフォーム
Humaは2011年設立の英国ロンドンに本社があるベンチャー企業である。同社が手掛けているデジタルヘルスプラットフォームとは、まさに今後社会全体が高齢化していく中で求められる「hospital at home(在宅病院)」を実現するものだ。
このデジタルヘルスプラットフォームは、患者向けのアプリ、そして病院側が利用するウェブアプリ、患者の状態をモニタリングするためのデバイス(またはスマホから取得可能な生体データ)から成り立っている。患者の状態をデータ化し、そのデータをデジタルバイオマーカーとして解析することで、健康の劣化や異常にフラグを立てることができる。悪化する前に医療サービスで介入し、悪化を防ぐことで病院・患者の双方の負担を軽減することができる。
今回同社が発表したところによると、このプラットフォームを利用することで、病院の臨床能力はほぼ2倍になり、患者の再入院を3分の1以上減らし、患者のアドヒアランスレベルを90%以上にすることができるという。
そして、またこのプラットフォームは臨床研究プラットフォームというもう1つの側面も持つ。今回の資金調達した資金を活用し、製薬企業や研究業界が同社のプラットフォームを通して最大の分散型臨床試験を実施できるようになる。
同社はすでにグローバル製薬・ライフサイエンスのアストラゼネカ、バイエル、ヤンセンなどの企業や、Stanford Medicine、 Johns Hopkins Bloomberg School of Public Health、ケンブリッジ大学などの学術機関とも協力して、臨床研究を支援している。今回改めて、こうした臨床研究プラットフォームとしての側面が強調された形だ。
COVID-19モニタリングソリューション
同社は現在、COVID-19のモニタリングソリューションも提供している。これはSpO2を測定することができるパルスオキシメーターやデジタル体温計を使い、ユーザーの毎日の状態をモニタリング。また、アンケートを使ってCOVID-19の症状とその重症度を監視することができる。
このプラットフォームを使うことで、COVID-19に感染したことが疑われる患者は、在宅で病院からのケアを受けることができるようになる。病院側からすると、患者の生体情報が一覧でモニタリングすることができ、悪化の兆候が見える人を特定して、適切にケアを行うことができる。
同社は今回調達した資金を活用して、Humaのプラットフォームに予測アルゴリズム、デジタルバイオマーカー、および実世界のデータを組み合わせて、プロアクティブなケアと研究を推進していくという。
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2021年に注目すべき、デジタルヘルスの健康・ヘルスケアモニタリングや解析技術の動向について整理した。技術の全体像について知りたい人はこちら。
参考:(特集)2021年デジタルヘルスの技術動向 ~健康・ヘルスケアモニタリング / 解析~
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