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スタンフォード大学がスマートウォッチビッグデータによる健康状態予測について発表

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Stanford Medicineは、スマートウォッチで収集されるデジタルバイオマーカーのビッグデータを使って、健康状態変化の初期兆候を検出し、簡単な血液検査の結果を予測することができる可能性を発見したと発表した。

ウェアラブルを使ったデジタルバイオマーカー

この研究は遺伝学部門の研究室であるSnyder教授が率いる研究チームは、FitbitやApple Watchなどの一般で購入可能なウェアラブルデバイスを使ったデジタルバイオマーカーの研究を行っている。今回、この研究チームが発表したのは、スマートウォッチから測定できる生体データから、赤血球数の変化などの生理学的変化や、脱水症状、貧血、病気の初期兆候を検出できるというものだ。

なお、Snyder教授のチームは、ウェアラブルデバイスを使ってCOVID-19の初期兆候検知を行う研究を行っている。

参考:スタンフォードヘルスケアイノベーションラボで行われているウェアラブルでCOVID-19を検出する研究を解説

Snyder教授は心拍数や身体活動などの一般的なデータが、血液検査などから明らかになる生理学的変化を検知できるかどうかに興味を持っていた。今回、5月24日にNature Medicineで取り上げられた論文によると、一般ウェアラブルから収集されたバイタルサインデータは、臨床的に得られたバイタルサイン測定値を使用して行われた予測よりも低い予測誤差で、いくつかの臨床検査測定値を予測することができた、という。

また、皮膚電気出力の低下(または汗の減少)が脱水症状に関連していることや、心拍数の変化から血中酸素飽和度の変化を予測できることも発見したことを明らかにした。さらに貧血の兆候である可能性など、初期兆候にフラグを立てられる可能性も示唆している。

ウェアラブルデバイスの価値を向上させられるか

現時点では、まだウェアラブルデバイスから取得できるビッグデータをどのように活用できるのか、というテーマは研究テーマとなっている。ウェアラブル市場が拡大し、FitbitやApple Watch、Garmin、Samsungなど、多くのウェアラブルデバイスを身に着ける人が増え、取得できるバイタルサインも増えつつあるが、現在の技術ではそれが健康上何を意味するのか、解析することは難しい。そうしたウェアラブルビッグデータに意味を持たせる研究として、デバイスの付加価値向上に意義のある研究となっている。

 

今回参考のニュースリリースはこちら


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  • 記事・コンテンツ監修
    小林 大三

    アドバンスドテクノロジーX株式会社 代表取締役

    野村総合研究所で大手製造業向けの戦略コンサルティングに携わった後、技術マッチングベンチャーのLinkersでの事業開発やマネジメントに従事。オープンイノベーション研究所を立ち上げ、製造業の先端技術・ディープテクノロジーにおける技術調査や技術評価・ベンチャー探索、新規事業の戦略策定支援を専門とする。数多くの欧・米・イスラエル・中国のベンチャー技術調査経験があり、シリコンバレー駐在拠点の支援や企画や新規事業部門の支援多数。企業内でのオープンイノベーション講演会は数十回にも渡り実施。

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