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中国の自動運転ロボバスのQCraftがシリーズA+で約109億円を調達

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中国の自動運転システム及び無人運転ロボバス・シャトルを開発しているQCraftが、8月にシリーズAで100m$(約109億円)の資金調達を実施したことを、発表した。

今回の資金調達は、アリババ創業者のジャックマーが設立したプライベートエクイティのYunfeng Fundと元テンセントのエグゼクティブであったPeng Zhijian氏が率いるYuansheng Capitalがリードインベスターとして主導しており、フードデリバリー大手のMeituan傘下のVCであるDragonBallなども出資をしている。

設立後わずか2年で急成長

QCraft(北京轻舟智航智能技术有限公司)は2019年に設立されたばかりのベンチャー企業で、自動運転技術を使った無人運転ソリューションを開発している。現在、米国シリコンバレーと中国深圳・北京で拠点を構えて開発を推進している。

今回の資金調達により、わずか2年足らずで100億円を超える資金調達を行う成長を遂げている。

同社の無人運転ソリューションはオンライン配車車両や、バス、シャトルなどに適用されており、都市部の低速領域(時速20~50km)に焦点を当ててシステムを最適化している。

以前の記事で、センサーではOusterの3DフラッシュLiDARが採用されていることを整理した。機能面では、LiDARなどのセンサーを使い360度の知覚を実現し、5G+V2X車両表示システムを搭載している。

参考:Ousterの3DフラッシュLiDARを中国ロボバスのQCraftが採用

3ステップでの戦略の3段階目に到達

QCraftは、これまで3ステップの戦略を描いて事業を進めてきたことを明らかにしている。

1stステップは、シミュレーションによるクローズドループで、大量のデータを使って自動運転アルゴリズムを開発すること。同社によると最先端の研究開発の結果をブレークスルーとして利用したということである。

なお、こうした自動運転システムの開発初期段階で、精度の高いシミュレーションで最適な学習を行うことを競争力の1つとしてアピールする自動運転ベンチャーも出てきており、AIの先端研究者らで立ち上げられたWaabiも同様であった。

参考:カナダの自動運転ベンチャーWaabiがシリーズAでUberやAuroraの出資を受ける

そして2ndステップでは、フルスタック自動運転システムを実装し、都市の複雑な交通シナリオでの実走行に焦点を当てた無人ソリューション「Driven-by-QCraft」を立ち上げ、走行実証を重ねてきた。

現在は3rdステップとして、無人シャトルを複数の都市部で走らせて、数万人の住民を対象として無人シャトルサービスを提供・拡大しようとしている。現在は、蘇州、深セン、武漢を含む5都市以上で通常運行を実施。今年末までに中国の公道に少なくとも100台の自律型バスを設置する予定だ。

 

今回参考の同社発表はこちら


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  • 記事・コンテンツ監修
    小林 大三

    アドバンスドテクノロジーX株式会社 代表取締役

    野村総合研究所で大手製造業向けの戦略コンサルティングに携わった後、技術マッチングベンチャーのLinkersでの事業開発やマネジメントに従事。オープンイノベーション研究所を立ち上げ、製造業の先端技術・ディープテクノロジーにおける技術調査や技術評価・ベンチャー探索、新規事業の戦略策定支援を専門とする。数多くの欧・米・イスラエル・中国のベンチャー技術調査経験があり、シリコンバレー駐在拠点の支援や企画や新規事業部門の支援多数。企業内でのオープンイノベーション講演会は数十回にも渡り実施。

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