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ADAS・自動運転用の地下レーダーを開発するGPRが次世代レーダーを発表

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ADAS・自動運転用の地下レーダーを開発するGPR(前WaveSense)が、最新の次世代レーダー(Ground Positioning Radar™)であるAegisについて発表した。

新しいコンセプトの地下レーダー

地下レーダーとは非常にユニークなコンセプトである。

通常、ADASや自動運転で使われているレーダーセンサーは、直進的にレーダーを照射し、前方や後方にある車両などの物体や人を検知する。

一方で、GPRが開発している地下レーダーは物体検知には使わず、位置同定に使われる。車両の下に備え付け、地面に対して超広帯域のレーダーを照射する。2〜3mの低周波パルスを照射し、路面下からの反射波を拾うことで、地下の状態から、今現在車両がどこに位置しているのか位置同定を正確に行うものとなっている。

同社が主張するには、道路表面というのは天候などによりその時々で変わってしまう一方で、地下の状態は変わらない。そのため、一度地下の状態をスキャンして、マップを作ってしまえば、以降は地下のスキャンを行うことでマップと照合して、車両がどこにいるのかを正確に把握することができる、という技術になっている。道路の表面から10フィート下をスキャンすると、1〜2インチ精度の測位が得られるという。

カメラによるレーンマーキングや、GPS信号による測位とは独立した位置同定技術として車両に搭載することで、信頼性の高いレーンキーピングと自律駐車を可能にすることができる。

元々は軍事用の技術

GPRの技術は元々は軍事用の技術として開発されたものだという。

GPRは、WaveSenseという社名で1999年に設立された。本社が米国マサチューセッツ州にあり、MIT Lincoln Laboratoryからのスピンオフベンチャーである。Crunchbaseによると、同社は現在23m$(約25億円)の資金を集めており、今年3月に15m$の資金調達を実施した。

また昨年に同社はボードメンバーも強化している。

2020年には、元フォードのPresidentであったJoe Hinrichs氏をボードメンバーとしてそして、GMのCFOであったChuck Stevens氏とコンチネンタルの前CTOであったKurt Lehmann氏をアドバイザリーに迎え入れた。

GPRは、グローバルOEMやTier1サプライヤーと協力し、cmレベルの精密測位技術を消費者向け車両や商用トラックに統合する方向で共同開発を進めている。

 

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  • 記事・コンテンツ監修
    小林 大三

    アドバンスドテクノロジーX株式会社 代表取締役

    野村総合研究所で大手製造業向けの戦略コンサルティングに携わった後、技術マッチングベンチャーのLinkersでの事業開発やマネジメントに従事。オープンイノベーション研究所を立ち上げ、製造業の先端技術・ディープテクノロジーにおける技術調査や技術評価・ベンチャー探索、新規事業の戦略策定支援を専門とする。数多くの欧・米・イスラエル・中国のベンチャー技術調査経験があり、シリコンバレー駐在拠点の支援や企画や新規事業部門の支援多数。企業内でのオープンイノベーション講演会は数十回にも渡り実施。

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