建設ロボティクスのKEWAZOがシリーズAで約5.5億円の資金を調達
足場の組み立てに焦点をあてた建設ロボティクスベンチャーのKEWAZOが、シリーズAで5m$(約5.5億円)の資金調達を実施したことを発表した。
今回のラウンドはミュンヘンを拠点とするVCであるTrue Venturesが主導し、既存の投資家MIGAGも追加出資を行った。
足場の組立・解体を自動化する
KEWAZOは2018年にドイツで設立されたベンチャー企業だ。
KEWAZOが開発しているソリューションは足場の組み立て、解体を自動化するものである。同社によると、建設プロジェクトの8割では、足場の組み立てと解体は現在も手動で行われており、自動化できていない作業となっている。また、ドイツにおいて足場に関連する事故の件数は6,000件にも上る。
(補足)なお、日本においても過去に国土交通省が取りまとめた「建設施工を巡る諸課題に関するシーズ調査アンケート結果について」にて、ニーズ側から見たロボット技術の具体例として、「足場組立・解体作業の自動化」が挙げられているが、技術シーズ側の意見として、足場組立、解体作業の標準化とロボットの合わせた取り付け形状等の工夫による自動化などが5年以上前から提案されているが、現時点でまだ自動化できていない領域となっている。
KEWAZOが開発しているロボットホイストシステム「LIFTBOT」は、画面上で指定した場所へ、足場材料を運搬するのを自動化することができる。下記の動画を見るとわかるように、横方向の材料移動だけでなく、縦方向にも運搬することができる。
KEWAZOは、このソリューションを28か所以上の建設プロジェクトでテストを行い、LIFTBOTロボットシステムによって人件費の20〜50%を節約できることを証明したという。
LIFTBOTには複数のセンサーが装備されており、プロジェクトのステータス情報をオンサイトプラットフォームにリアルタイムで配信することができる。そして機械学習によって生成されたアルゴリズムによって、蓄積されたデータを処理し、自動化計画とコスト効率の高いリソースの使用を実践する。
EU市場の顧客に納入
LIFTBOTの最初のバッチは、EU市場の顧客に納品済みであり、バッチではあるが実績がある。すでに40以上のパイロットおよびテストプロジェクトを完了し、ドイツの石油・ガスサイトにおいて、ヨーロッパの大手土木建設エンジニアリング会社であるBilfingerなどの主要顧客にロボットを納入してきた。
今後、同社の顧客として見込まれる世界のプロジェクトには、グリーンフィールドプロジェクトでの足場の組み立てや、建設現場、石油およびガス精製所、発電所、造船所でのメンテナンス作業が含まれるという。
KEWAZOのHPはこちら
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