非侵襲グルコースモニタリングのKnow Labsが外出先で測定可能な新デバイスを発表
非侵襲グルコースモニタリング技術を開発しているKnow Labsが、同社の開発しているBio-RFID™技術を活用し、これまでのスマートウォッチ型デバイスに加えて、外出先で測定可能な非装着タイプのデバイスKnowU™について、9月22日に発表した。
高周波分光法による血糖値測定
Know Labsは高周波分光法という電磁波を使ったアプローチで体内のグルコースを測定しようとしている。電磁エネルギー(特許からするとマイクロ波を使っていると想定される)を物質または材料にあてて、固有の分子シグネチャーをキャプチャしてグルコース含有量を識別するものだ。Know Labsについてはこれまでも複数過去記事で取り上げているため、詳細については以下を参考とされたい。
参考:非侵襲グルコースモニタリングデバイスを開発するKNOW LABSがメイヨークリニックと研究契約を締結
今年3月には約15.5億円の資金調達を実施している。
参考:非侵襲グルコースモニタリングのKnow Labsが14.2m$の資金調達を発表
ポケットサイズのポータブルデバイスKnowU™
今回発表されたKnowU™は、従来のスマートウォッチ型のKnow Labs UBand™に加わる、新しい製品となっている。外出先で利用することを想定されており、ウェアラブルのように装着する必要が無い、小型で持ち運びやすいデバイスだ。
このKnowU™はデバイス自体にも表示機能があり、血糖値を表示することができる。また、Know Labsのスマートフォンアプリを使用してアプリ上で血糖値情報を表示することも可能だ。
同社は、2022年にFDAの事前承認プロセスを開始する予定であることも明かしている。
Know Labs CEOのPhil Bosua氏はこう述べている。
「我々は糖尿病患者が疾患をマネジメントするために、全ての人がウェアラブルで連続的にグルコース測定デバイスを求めているわけでは無いことを知っています。シンプルに、これまでのフィンガープリックを代替したい人もいます。」
現行のフィンガープリックでは針で指先から血を採取することから患者への負担が大きい。またはマイクロニードルパッチで連続的にグルコースを測定するデバイスも市場では浸透してきているが、1~2週間の測定後にセンサーを取り換える必要があり、常時測定するにはコストがかかる。
電磁波や可視光・近赤外などの方法で血糖値がモニタリングできる技術が開発されたら、従来よりさらにユーザーに対して高い利便性と低コストでのモニタリング手段を提供することができる。一方で非侵襲センシング技術は非常にハードルが高く、未だ実用化できている企業はいない。
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