3DフラッシュLiDARのOusterがSense Photonicsを買収
3DフラッシュLiDARを開発しているベンチャー企業のOusterは、自動車向けのLiDARを開発しているSense Photonicsを買収することで両社の最終合意に達したことを、10月5日に発表した。
この件は8月にブルームバーグにより買収の可能性が報道されており、今回実際に買収が行われることが明らかになった。当メディアでも下記の記事で取り上げている。
参考:3DフラッシュLiDARのOusterが同方式のSense Photonicsと買収交渉していると報道される
今回の買収によって、Sense Photonicsの従業員約80名がOusterに参加することになる。取引は2021年第4四半期に完了する見込みだ。
Ousterは買収により自動車分野での長距離用LiDARの実用化を加速
OusterとSense Photonicsの両社の特徴が、顧客・技術ともにシナジーがあることについては上記の過去記事で整理をしている。概要を書いておくと以下だ。
顧客面ではOusterが全方位で産業・スマートシティ・配送ロボットなどの分野で実績を積み上げている一方で、Sense Photonicsは自動車向けで開発を進めており、補完関係にある。
そして技術的にはOusterが低中距離に強いのに対し、Sense Photonicsは長距離用途で開発を進めてきた。Ousterは長距離向けも開発を行っているが、サンプルを2022年に出すという計画で進めていたが、Sense Photonicsは2021年半ばにサンプルが利用可能とされている。そのため、Ousterにとっては自動車向けの開発期間を短縮することができる。
今回の買収の効果として、「ソリッドステート開発ロードマップを12か月以上加速します。」と、Ousterは述べている。
Ouster Automotiveを設立予定
今回のOusterの発表では、買収後にOuster Automotiveという自動車分野向けの部門を設立することを明らかにした。(なお、部門という表現をされているが、Ousterの子会社なのか、1部門なのかは不明)
Sense Photonicsは現在、2025~26年の生産開始に向けて自動車OEMと交渉中であり、潜在的な収益で10億ドル以上の価値のある、シリーズ生産プログラムを推進しているという。
「2つのプラットフォームを組み合わせて、自動車デザインのさらなる成果を獲得する絶好の機会があります。さらに、Ousterのリソース、製造ノウハウ、および実証済みの実行能力により、自動車のマーケットリーダーになるために必要なものが揃っているという確信が得られます。」とSense Photonicsは述べている。
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