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Highview Power、世界最大規模の液体空気エネルギー貯蔵プラント建設へ向け610億円を調達

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2024年6月13日、エネルギー貯蔵技術のパイオニア企業Highview Powerは、英国初の商業規模の液体空気エネルギー貯蔵(LAES)プラント建設のために£300m(約610億円)の資金調達を完了したと発表した。この資金調達は、UK Infrastructure Bankおよびエネルギー企業のCentricaが主導し、他の主要投資家として資源大手のRio Tintoなどが参加している。

高効率な長期間エネルギー貯蔵施設で英国のエネルギー安全保障を強化

Highview Powerは公益事業および分散型電力システム向けに設計された大規模エネルギー貯蔵システムの開発企業だ。産業排熱の中でも「冷排熱」と呼ばれる100~200℃の排熱をも再利用し、排出サイクルの中に熱発電を統合することで発電の効率を向上させる。

2020年には、住友重機械工業が$46m(約70億円)出資している。

同社のプロジェクトは英国のエネルギー安全保証の強化を目的とした計画に沿って進められており、今回の£300mはマンチェスターのカリントンに新しいプラントを建設するための資金となる。

マンチェスター市長のAndy Burnham氏は「世界最大規模の長期間エネルギー貯蔵施設が建設されることは、カリントン発展の後押しとなる」と述べる。

Highview Powerの企業紹介動画


今後はカリントンだけでなく全英4カ所にプラントを展開予定

再生可能エネルギー発電は商業的な安定供給が困難と考えられてきたが、Highview Powerによれば、同社のLAES技術は再生可能エネルギーを数週間にわたって貯蔵できる。カリントンに建設される新プラントは、300メガワット時のエネルギーを貯蔵し、毎時50メガワットの電力を6時間にわたって供給可能。建設は即時開始され、2026年初頭の稼働開始を予定する。建設やサプライチェーンの中で、700人以上の雇用を創出する見込みだ。

同社はカリントンの初期プロジェクトに続き、英国全土で4つの大規模なプラントを建設する計画を立てている。大規模プラントの出力は2.5ギガワット時を予定し、総投資額は30億ポンド(約6100億円)と見込まれる。CEOのRichard Butland氏は「貯蔵なくしてエネルギー転換はありえない」と語り、再生可能エネルギー活用とエネルギー安全保障を強化するモデルで世界をリードする考えを示している。


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  • 記事・コンテンツ監修
    小林 大三

    アドバンスドテクノロジーX株式会社 代表取締役

    野村総合研究所で大手製造業向けの戦略コンサルティングに携わった後、技術マッチングベンチャーのLinkersでの事業開発やマネジメントに従事。オープンイノベーション研究所を立ち上げ、製造業の先端技術・ディープテクノロジーにおける技術調査や技術評価・ベンチャー探索、新規事業の戦略策定支援を専門とする。数多くの欧・米・イスラエル・中国のベンチャー技術調査経験があり、シリコンバレー駐在拠点の支援や企画や新規事業部門の支援多数。企業内でのオープンイノベーション講演会は数十回にも渡り実施。

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