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アグリテックで気候変動への対応目指すElicit Plant、シリーズCで74億円を調達。2025年に米国市場参入へ

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フランスのバイオスタートアップであるElicit Plantは2024年11月14日、シリーズB資金調達ラウンドでの$48m(約74億円)の確保を発表した。

同社はバイオテクノロジーを農業に活用。植物ステロールという自然に存在する要素を利用し、農作物の水使用量を削減する。近年の気候変動による干ばつの多発に対応するソリューションだ。

天然由来の要素で農作物の水削減を実現

Elicit Plantはオフィシャルサイトで、自社のパーパスを次のように説明する。

まず気候変動の影響が農作物に及んでいること、さらに2050年までに100億人への到達が見込まれる世界の人々すべてに食料を供給する必要があるといった課題を指摘。その上で、環境に配慮すると、現行のバイオスティミュラント(生物刺激剤)では対応できないと主張する。

Elicit Plantの企業プロモーション動画

こうした時代と環境に適合していくためには、天然資源の保護と現代農業のバランスを取り、自然で高性能な代替ソリューションを生み出す「第3の道」を選択する必要があるとし、その提供をバリューとしている。

具体的には、前述の天然由来の要素を使ったバイオスティミュラント代替品を開発し、トウモロコシ、ヒマワリ、小麦、春大麦用に水使用量の削減ができるプロダクトを販売。従来比で水使用は2割削減できると訴求する。すでに欧州や南米で流通している。

2024年9月には、ブラジル市場向けに大豆向けソリューションを発売した。ブラジル市場の課題に対応したプロダクトの設計になっているという。

また、ドイツの化学大手であるBayerやBASFとも協業するなど、事業拡大を進める。

VCの他、政府系ファンドが資金調達に応じる

シリーズBは欧州のベンチャーキャピタル(VC)が主導。既存投資家として欧州投資銀行(EIB)やBpifrance Investissementがそれぞれ組成したファンドなどが応じた。EIBは欧州連合(EU)が設立し、Bpifranceはフランスの政府系投資銀行である。

調達した資金の使途として、米国向けの発表では「2025年までの米国市場参入」が明記された。その他、既存市場の事業拡大や研究開発の促進などを使途として挙げている。

Elicit PlantのCEOであるJean-François Déchant氏は次のように述べた。

「当社の目標は明確だ。(これから参入する米国を含む)3大陸で市場シェアを強化し、2028年までに世界的な業界リーダーになることである。今回の資金調達は、それを達成するためのリソースとなる」




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  • 記事・コンテンツ監修
    小林 大三

    アドバンスドテクノロジーX株式会社 代表取締役

    野村総合研究所で大手製造業向けの戦略コンサルティングに携わった後、技術マッチングベンチャーのLinkersでの事業開発やマネジメントに従事。オープンイノベーション研究所を立ち上げ、製造業の先端技術・ディープテクノロジーにおける技術調査や技術評価・ベンチャー探索、新規事業の戦略策定支援を専門とする。数多くの欧・米・イスラエル・中国のベンチャー技術調査経験があり、シリコンバレー駐在拠点の支援や企画や新規事業部門の支援多数。企業内でのオープンイノベーション講演会は数十回にも渡り実施。

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