四足歩行ロボット開発のANYboticsが90億円を調達。Qualcomm、TDK、SwisscomのCVCが応じる
四足歩行ロボットを開発するスイスのスタートアップ、ANYboticsが$60m(約90億円)を調達した。2024年12月12日、同社が発表した。
ANYboticsは2016年、スイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETH Zurich)出身で現在は同社CEOを務めるPéter Fankhauser氏や同大学教授のRoland Siegwart氏らが設立したスタートアップだ。
参考記事:自律型モバイルロボティクスのANYbotics AGがスイス経済賞を受賞
2024年11月にはシリコンバレーに拠点開設
ANYboticsのロボットは、工場内の設備などといった企業の資産を検査することを用途とする。具体的には、「石油・ガス」「化学薬品」「電力」「鉱業・金属」といった業界で使われることを想定しており、BP、Equinor、Petrobras などといった大企業がクライアントになっている。
ロボットは「ANYmal」と名付けられ、工場や倉庫で見られる金属の格子で階下が見えるタイプの階段を安全に上れる、這った姿勢で低い位置を検査する、地面が濡れていたりバンプがあったりしても歩行できる、といった特徴を持つ。
ANYbotics制作のANYmal紹介動画
資金調達のちょうど1カ月前となる2024年11月12日には、米サンフランシスコにオフィスを開設したことを発表。シリコンバレーでのプレゼンスを確保しつつ、米国での事業拡大を目指すもの。これは今回、調達した資金の使途とも関連している。
資金を活用して世界展開へ
2024年12月の資金調達は、Qualcommのコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)であるQualcomm VenturesとVCが主導。事業会社系では新規投資家としてTDK Venturesが、既存投資家としてはSwisscom Venturesが応じた。
ANYboticsのFankhauser CEOは、「この追加資金により、当社は世界規模で事業を拡大し、AIを活用した機能を強化し、業界を問わずお客様に比類のない価値を提供し続けることができる」とコメント。前述の米国オフィス開設にも見られるように、世界展開への挑戦の姿勢がうかがえる。
また、投資家側からはQualcomm Ventures EuropeのMichel Glezer氏が、次のようにコメントした。
「世界中の産業が抱える重要な課題に対し、同社は課題解決を行いロボット市場のリーダーの地位を確立した。(Qualcommの)エッジ AI と接続性を通じて産業の自動化を実現するという同社の使命をサポートできることを、誇りに思う」
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