Cake AI Technologiesがシードラウンドで19億円を調達。GoogleのAIファンドが主導
オープンソースAIコンポーネント開発の米Cake AI Technologiesが2024年12月4日、シードラウンドで$13m(約19億円)を調達した。
同社のMisha Herscu共同創業者兼CEOはTech Crunchに、「私たちは極秘にしていたわけではない。ただ構築し、顧客と協力してきただけだ」とコメントを寄せているものの、実質的にはこれまでステルス(存在を隠して起業する)状態だった。
親族の死が最先端のAI環境構築のきっかけに
一言で「AI」といっても、さまざまなコンポーネント(構成要素)がある。通信のためのデータソースアダプター、データ取り込み、AIの教師あり学習に必要となるデータラベリング、データベース、APIなどだ。
Cakeは、これら100を超えるオープンソースのコンポーネントを、セキュリティを保全しながら統合する。各コンポーネントがレイヤー(層)を形成しケーキのように見えることから、この社名になったという。
Cakeの共同創業者兼CTOのSkyler Thomas氏は、IBMに勤務していた10年以上前、妊娠中だった実妹を心臓発作で亡くした。このとき、最先端のAIがあればリスクを警告できたのではないかとの悔いが残り、ヘルスケアとAIにキャリアを捧げることにしたという。オープンソースのコンポーネントを統合的に利用できるプラットフォームも、ユーザーにとっては最先端のAI技術が使えることにつながる。
設立は2022年。すでに不動産保険テック企業のPingなどの顧客が存在する。
多くの企業がすでにプラットフォームを本番環境で利用
リードインベスターを務めたのは、Gradient。Googleが設立したシードラウンドを投資対象とするファンドだ。他、複数のベンチャーキャピタル(VC)が応じている。
調達した資金の使途は明らかにされていない。一方、Gradient のDarian Shirazi氏が「多くのAI 企業への初期投資家として、あらゆる規模の企業がモデルや AI ツールを本番環境に導入するのに、苦労するのを見てきた。しかしCakeのチームに初めて会ったとき、彼らのソリューションに深く関わっている顧客の数を見て、驚いた」と述べている。コメントから、技術のさらなるブラッシュアップ、マーケティングの進化のいずれも考えられる。
また、Herscu CEOも、Cakeの顧客が前出の保険テックのほか、ヘルスケア、eコマースなどさまざまな業種が本番環境でAIプラットフォームを利用しているとした上で、次のようにコメントした。
「これまでの最先端技術は、残念ながら大規模な機械学習エンジニアリングチームだけの領域だった。Cakeは、あらゆる規模の企業が、多くのエンジニアを必要とせずに、数日、あるいは数時間で、最新技術を導入できるように取り組んでいる」
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