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精密農業の推進役・Carbon RoboticsがシリーズDで100億円超を調達。化学農薬を代替する除草機「LaserWeeder」が主力

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自律運転が可能な農業向け除草機などを開発する米Carbon Roboticsが、シリーズD資金調達ラウンドで$70m(約108億円)を確保した。同社が2024年10月21日、発表した。

Carbon Roboticsは2018年、エンジニアのPaul Mikesell CEOによって設立。Mikesell氏は、分散データベース開発のClustrixの共同創業者であり(売却済み)、Uberのインフラストラクチャの責任者を務めた経歴を持つ。

CNBCが「2024年のDisruptor50社」の1つに選出

近年、農業界ではPrecision Agriculture(PA)という考え方が浸透している。日本語にすると「精密農業」で、人工知能(AI)やロボティクス技術によってより効率的な農作物生産を図るものだ。

Carbon RoboticsはまさにPAによって生産性の高い農業生産を目指すスタートアップ。「LaserWeeder(レーザー除草機)」を主力プロダクトとする。また、「Robotics」が社名であるが、AIの分析により農場のデータや最適化を提案する「Carbon Ops Center」やLaserWeederの状態を生産者に知らせる「Carbon Robotics Companion App」といったアプリケーションも制作している。

LaserWeeder(Carbon Roboticsプレスリリースより)

ビジネスニュースを放送する米テレビ局のCNBCは2024年5月、同年のDisruptor(創造的破壊者)企業50の1つに、Carbon Robotics を選出した。LaserWeeder の登場によって、農家が除草コストを80%削減できる点が、Disruptor としての側面だ。従来、除草に必要とされていた化学農薬が不要となり、これらのメーカーにとっては「脅威」になると、CNBCは取り上げている。

また、化学農薬は文字通り化学的な生産プロセスで二酸化炭素(CO2)を排出するため、その削減にも寄与するだろう。

NVIDIAのCVCが今年2回目の投資へ

シリーズD資金調達ラウンドでは、サンフランシスコのベンチャーキャピタル(VC)であるBONDが新規投資家として参加した他、既存投資家としてNVenturesと複数のVCが応じた。

NVenturesは、NVIDIAのコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)で、2024年5月のシリーズC資金調達ラウンドにおいて、初めてCarbon Roboticsへの投資を実施している。一方、今回の資金調達後、BONDのMood Rowghani氏がCarbon Roboticsに取締役として参画することも発表された。

資金は「LaserWeeder事業の拡大」「新しいソフトウエア・ハードウエアプロダクトの導入」「ワシントン州の製造設備の拡大」「欧州、アジア太平洋といった市場の拡大」に活用されると、同社は説明する。

Mikesell CEOは次のようにコメントした。

「この資金調達は、当社だけでなく世界中の農家や消費者にとっても極めて重要な節目となる。当社は変革を主導しており、今回の投資により次世代の農業を変革するAIとロボット工学のパイオニアとしての当社の能力を加速させていく」




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  • 記事・コンテンツ監修
    小林 大三

    アドバンスドテクノロジーX株式会社 代表取締役

    野村総合研究所で大手製造業向けの戦略コンサルティングに携わった後、技術マッチングベンチャーのLinkersでの事業開発やマネジメントに従事。オープンイノベーション研究所を立ち上げ、製造業の先端技術・ディープテクノロジーにおける技術調査や技術評価・ベンチャー探索、新規事業の戦略策定支援を専門とする。数多くの欧・米・イスラエル・中国のベンチャー技術調査経験があり、シリコンバレー駐在拠点の支援や企画や新規事業部門の支援多数。企業内でのオープンイノベーション講演会は数十回にも渡り実施。

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