衛星運搬のD-OrbitがシリーズCで約245億円を調達。リードインベスターは丸紅
「Last-mile delivery of satellites」(衛星のラストマイル配送)を事業とするイタリアのスタートアップ、D-OrbitがシリーズC資金調達ラウンドで€150m(約245億円)を調達した。2024年9月27日に発表した。
D-Orbitは、ION Satellite Carrierという宇宙空間で使用可能な運搬装置を使って衛星を軌道上まで届けたり、軌道間移動をサポートしたりするペイロードホスティングサービスを展開する。本社はロンバルディア州フィーノ・モルナスコにある。
衛星打ち上げのハードルを低くする。運用までの期間とコストの削減を実現
衛星を宇宙に打ち上げるには莫大なコストと時間がかかる。しかし、D-Orbitが展開するION Satellite Carrierを使えば、衛星打ち上げから運用開始までの時間を最大85%削減、打ち上げのコストを40%削減できる。
D-Orbitは2020年以降、ION Satellite Carrier計14機を軌道まで打ち上げることに成功しており、2025年にはさらに7回の打ち上げが計画されている。
また、同じく宇宙空間で使用可能な電力推進システムを開発するMagdriveと、このシステムを使った軌道上での実証実験の契約を締結した。2025年6月の打ち上げを予定している。
スペースデブリの回収・リサイクルなど事業拡大へ
今回の投資は、日本の商社である丸紅が主導した。丸紅は、D-Orbitのサービスについて日本国内で独占販売権を有する。
D-Orbitは今回調達した資金を、宇宙のゴミである「スペースデブリ」を回収・リサイクルする衛星軌道上のサービスや、惑星間を移動可能な宇宙船の製造に使用する。打ち上げる衛星数の増加にともない、D-Orbitとして宇宙空間の持続可能性や環境の維持・改善に対する責任を果たしていくことが目的。また今後は、衛星寿命延長や宇宙デブリ削減の事業にも力を入れていくとしている。
D-OrbitのCEOであるLuca Rossettini氏は「この投資により宇宙空間での輸送や軌道上のサービス、そして広大な宇宙における物流のイノベーションに対する、当社のコミットメントが強化される」とコメントした。
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