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米AI関連スタートアップのDatabricksがシリーズJで1兆円超を調達。Fortune 500の6割がプラットフォームを採用

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データとAIを基にしたプラットフォーム・ソフトウエア開発を行う米スタートアップ、Databricks(データブリックス)が2024年12月17日、シリーズJ資金調達ラウンドで$10b(約1兆5000億円)の確保を発表した。AIの熱に沸いた2024年を締めくくる、巨額の調達となった。

同社は、カリフォルニア大学バークレー校(UC Berkeley)で行われていたオープンソース研究プロジェクト「Spark」のチームが、スピンアウトする形で2013年設立。Ali Ghodsi CEOなど共同創業者の多くを、同大学の研究者が占める。

データ蓄積の場とプラットフォームを世界1万社が利用

Databricksが開発するのは、データ分析のための統合プラットフォーム。企業が持つデータは、CSV、Text、さらには画像までさまざまな形式が存在する。これらを、データレイクハウス」(従来のデータウエアハウスやデータレークをアップデートした概念)といった場所にデータを取り込むことで、加工や管理が一元化できるというプラットフォームだ。

データレイクハウスでのデータ分析は、機械学習が用いられる。よって、単純にデータを蓄積しその表面上の数値などを分析するだけではなく、例えば圧縮してある解凍してデータを分析したりデータから最適な機械学習モデルのコードを記述したりといったことも行える。

こうして開発したDatabricks のプラットフォームは、Fortune 500に組み入れられた企業の6割、グローバルには1万組織以上に利用されている。また、Microsoft AzureやAWSといったクラウドサービスでも利用可能だ。

企業で活用される実例として、Databricksは航空大手のVirgin Australia がプラットフォームを導入したことで、生産性向上や顧客への情報提供を実現したとの動画を公開している。

Virgin Australia boosts productivity, real-time data with the Databricks Data Intelligence Platform

グローバルな市場展開を発表

シリーズJに参加した投資家はベンチャーキャピタル(VC)が中心で、事業会社は見られない。Databricksは資金をプロダクト開発、M&A、国際的な市場開拓に充てると説明する。市場開拓の面では、ロンドンに欧州ハブ、シンガポールにアジア太平洋日本ハブを設立。さらにラテンアメリカ地域や中東にも展開することを示唆した。

Databricksには、ユニコーンとして株式公開(IPO)への期待も寄せられる。しかし、CEOのGhodsi氏はTechCrunchのインタビューに、インフレ下ならびにAIバブル下であることを理由に2024年はIPOを待ったと経緯を説明した。

一方、シリーズJにおけるステートメントでGhodsi氏は、「当社は変革的なデータとAIのインフラストラクチャーを構築しており、お客様の成功のために積極的に活動していきたい」と所信を表明。

さらに、リードインベスターとなったVC、Thrive CapitalのJoshua Kushner CEO(Donald Trump米大統領の義子であるJared Kushner氏の実弟)は、「われわれはDatabricksのたゆまぬ努力を目の当たりにしており、同社と長期にわたるパートナー関係を築けたことを光栄に思う」とコメントした。




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  • 記事・コンテンツ監修
    小林 大三

    アドバンスドテクノロジーX株式会社 代表取締役

    野村総合研究所で大手製造業向けの戦略コンサルティングに携わった後、技術マッチングベンチャーのLinkersでの事業開発やマネジメントに従事。オープンイノベーション研究所を立ち上げ、製造業の先端技術・ディープテクノロジーにおける技術調査や技術評価・ベンチャー探索、新規事業の戦略策定支援を専門とする。数多くの欧・米・イスラエル・中国のベンチャー技術調査経験があり、シリコンバレー駐在拠点の支援や企画や新規事業部門の支援多数。企業内でのオープンイノベーション講演会は数十回にも渡り実施。

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