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ALD装置開発のForge NanoがGMのCVCより15億円を調達。自動車だけでなく、化学、エレクトロニクス、金属のグローバル企業が投資するスタートアップ

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原子層堆積(ALD)技術を用いてナノコーティング装置を開発するForge Nanoが、シリーズC追加ラウンドで$10m(約15億円)を調達した。2024年10月16日、同社が発表した。

確保した資金は、General Motors(GM)のコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)であるGM Venturesからの投資によるもの。Forge Nanoはこれまで、Hanhwa、Volkswagen、三井金属、LGのCVCなど、多様な業界から資金を獲得している。

製造業が渇望するALD

ALDは表面エンジニアリング技術の一つで、均一なコーティングを実現。Forge Nanoは半導体ウエハーコーティング装置、粉体塗装装置、物体コーティング装置を主要なプロダクトとする。

こうした技術は、前述の投資家らが属する業界の他、バッテリーの性能向上、製薬における製造工程の効率化といった場面でも活用が可能だ。例えば、リチウムイオン電池のカソード粉末にセラミックコーティングを施せば、電極電解質の劣化を防げる。

Forge Nanoも「Forge Battery」という、バッテリー部門を有する。ここでは、18650と21700のセルを生産。2024年7月には、大口需要家向けに300ワット時/キログラムの21700セル出荷を開始した。

Forge Batteryはノースカロライナ州のリチウムイオン電池工場拡張に際し、米エネルギー省から最大$100m(約154億円)の援助を受ける(Forge Nanoプレスリリースより)

GMとともに次世代バッテリーを開発へ

今回、GM VenturesがForge Nanoへ投資したのも、バッテリーと関連している。

まず、現行のGM製電気自動車(EV)のバッテリーセルに、Forge Nanoの装置を使って前述のコーティングを実施。さらに次世代バッテリーの共同開発を進めていくという。

GM VenturesのAnirvan Coomer氏は、「Forge Nanoのアトミックアーマー技術は、当社のバッテリー材料に大幅な変化をもたらす可能性を秘めている。同社はすでに、最も高価なバッテリーセルコンポーネントであるカソードの機能を拡張できることを実証した。これにより、(GMの)顧客とビジネスにメリットをもたらすことができる」とコメント。

Forge NanoのPaul Lichty CEOも、「Forge Nanoのミッションは、より良い世界のために、より良い材料をつくることだ。GMからの投資により、バッテリー材料の性能と耐久性をさらに向上させ、半導体など他の重要な分野でも事業展開を拡大できる。また、将来のEVバッテリーの性能向上のため、GMと緊密に協力していきたい」と述べた。




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  • 記事・コンテンツ監修
    小林 大三

    アドバンスドテクノロジーX株式会社 代表取締役

    野村総合研究所で大手製造業向けの戦略コンサルティングに携わった後、技術マッチングベンチャーのLinkersでの事業開発やマネジメントに従事。オープンイノベーション研究所を立ち上げ、製造業の先端技術・ディープテクノロジーにおける技術調査や技術評価・ベンチャー探索、新規事業の戦略策定支援を専門とする。数多くの欧・米・イスラエル・中国のベンチャー技術調査経験があり、シリコンバレー駐在拠点の支援や企画や新規事業部門の支援多数。企業内でのオープンイノベーション講演会は数十回にも渡り実施。

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