AIでがんの新薬を開発するManas AIが設立。シードラウンドでは38億円の調達に成功

AIを活用して新薬開発を行うManas AIが2025年1月27日、設立した。また、同社はシードラウンドで$24.6m(約38億円)の資金調達に成功した模様だ。
Manas AIはLinkedInの共同創業者として知られるReid Hoffman氏と腫瘍学者のSiddhartha Mukherjee氏によって設立。Mukherjee氏は、米国でベストセラーとなった『The Emperor of All Maladies(すべての病気の帝王)』の著者として知られる。
Microsoft Azureも活用
人の死因で多いものとして、心疾患、脳の疾患、そしてがんが挙げられる。がんの治療薬は各国で開発が進み、近年の事例ではノーベル医学生理学賞を受賞した本庶佑氏の研究が「オプジーボ」の開発につながった。
Manas AIも、がん治療薬の開発が設立の大きな目的だ。米国での報道によると、当初は乳がん、前立腺がん、リンパ腫向けの新薬が開発の対象となる模様。
創薬は、3つのアプローチで行われる。
1つ目は、ケミカルライブラリー(分子、化学物質を集約したものと考えられる)を生成し、それにAIフィルターを通すことで高速、高精度に治療薬の候補を挙げる。2つ目に、AIプラットフォームはMicrosoft Azure上に構築し、Mana AIの説明によると従来の100倍のスピードで分子ドッキングを実現。さらに、「プロジェクトコスモス」と銘打ち新たな化学物質の発見にもつなげる、としている。
Hoffman氏が創業したLinkedInは2016年、Microsoftに買収されており、両者は縁が深い。そうした背景もあり、Manas AIもMicrosoftとのパートナーシップに至った模様だ。
Hoffman氏自ら投資
シードラウンドでは、Hoffman氏自らが投資した他、ベンチャーキャピタル(VC)2社が応じた。
CEOに就任したMukherjee氏は次のように語る。
「私たちはシンプルかつ深い意味のある使命を持つ。それは、命を救う医薬品の発見と開発方法を変革することだ。
AIの力とワールドクラスのチームを通じて、画期的な新治療法を提供するまでにかかる時間とコストを大幅に削減できると信じている。Manas AIが開発する生成化学の新たなモデルに、私は特に興奮している。
これらの生成モデルが機能すれば、従来の実験方法に取って代わるだろう」
また、Hoffman氏も「Manas AIは、病気の治療能力を飛躍させる良い影響を与えるだろう」とコメントを寄せた。
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