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スキャンでの予防医療を提供するNeko Health、シリーズBで406億円を調達。米国でも展開へ

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予防医療スタートアップのNeko Healthは2025年1月23日、シリーズB資金調達ラウンドで$260m(約406億円)を確保した。

同社は、過去に電力消費分析のスタートアップを創業したHjalmar Nilsonne現CEO(上の写真左の人物)と、Spotifyの創業者として知られるDaniel Ek氏(同右)が共同創業。ともにスウェーデン出身で、同社のクリニックも同じくスウェーデンのストックホルムと、英ロンドンに展開する。

スキャンの費用はおよそ3万9000円

予防医療は健康を求める人からのニーズのほか、経済的に熟成した国では少子高齢化により増えた社会保障費を圧縮する面での期待がある。

Neko Healthのクリニックには、全身を非侵襲的に検査するスキャナーを設置。身体をスキャンする時間は数分で済み、その後、医師による対面での診察やスキャンの結果の伝達が行われる。脳卒中や心臓発作など、さまざまな疾患の兆候を見つけるとしている。

一連のプロセスは1時間ほどで完了。顧客が検査に支払う費用は、2750クローナ(約3万9000円)だ。

創業は2018年で、2023年2月よりサービスをスタート。以来、1万人をスキャン、会員の8割は翌年の検査の予約と料金の前払い、グローバルにスキャンを待つのは10万人を超えるという実績を持つ。2024年9月には、ロンドンへ進出を果たした。

Ek氏がSpotifyでの成功後、次なる分野としてヘルスケアに取り組んでいたことが創業の発端。一方、Nilsonne氏は医師の家庭出身だ。Nilsonne氏自身は医療以外の分野で活動する意向を持っていたことから、Ek氏より声をかけられた当初は断っていたというが、最終的に説得を受け共同創業に至った。

CEOは「予防のイノベーションを市場に提供」とコミット

シリーズBでは、ベンチャーキャピタル(VC)が投資に応じた。そのうちの1社からNeko Healthへ取締役として人員が派遣される。

資金は、欧州で事業を拡大していくほか、現在は展開していない米国でも事業を進めていくために使われる。また、研究開発への投資も継続的に行うと明らかにされた。

Neko Healthのクリニック内部(同社プレスキットより)

CEOのNilsonne氏は次のようにコメントした。

「今回の資金調達により、Nekoは米国を含むグローバルな拠点の拡大と、画期的な研究開発への投資を加速する。今後、Nekoは病気が進行する前の発見、予防のためのイノベーションを市場に提供し続ける」




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  • 記事・コンテンツ監修
    小林 大三

    アドバンスドテクノロジーX株式会社 代表取締役

    野村総合研究所で大手製造業向けの戦略コンサルティングに携わった後、技術マッチングベンチャーのLinkersでの事業開発やマネジメントに従事。オープンイノベーション研究所を立ち上げ、製造業の先端技術・ディープテクノロジーにおける技術調査や技術評価・ベンチャー探索、新規事業の戦略策定支援を専門とする。数多くの欧・米・イスラエル・中国のベンチャー技術調査経験があり、シリコンバレー駐在拠点の支援や企画や新規事業部門の支援多数。企業内でのオープンイノベーション講演会は数十回にも渡り実施。

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