OpenAIが独自のチップ開発へ。NVIDIAへの依存低下が目的

OpenAIが独自のチップ開発を進めていると、2025年2月10日、Reutersが報じた。OpenAIが設計を行い、TSMCがファウンドリーとして製造を行うという。
NVIDIAへの依存を減らすのが、目的とされる
チームリーダーはGoogleで同様の開発経験あり
かつて、垂直統合型が主流だったチップの開発・製造は、近年では水平分業型へと移っている。スマートフォンの普及がその流れを加速させたが、デスクトップコンピューターでもAppleが2020年、自社設計でTSMCが製造したものを流通させた。
この点では、先ほど取り上げたNVIDIA依存の低減とともに、AI・LLMに特化したチップの開発をも、OpenAIは目指していると考えられる。実際、OpenAIのチップもトレーニングに重点を置いているという。
チップ開発で指揮を執ると見られるのは、GoogleやLightmatterを経て2023年11月、OpenAIに入社したRichard Ho氏。Ho氏はGoogle在籍時も、AIチップの開発チームを率いた。
Reutersの報道によれば、チップのテープアウトは今後、数カ月のうちに行われるという。テープアウトとは、チップの設計が終わりファウンドリーでの製造が始まるタイミングのこと。Ho氏の入社から1年あまりしか経っておらず、今回の報道が事実とさほど変わらないとすれば、驚異的なスピードで開発が進んでいるということになる。
もし、これらのプロセスが滞りなく終えられれば、チップは2025年末から2026年には完成するだろう。OpenAIにとっては、NVIDIAやその他のサプライヤーとの交渉力を高める道具になる。
また、DeepSeekが存在感を増し、チップへの需要が変化する可能性も出てきた今、半導体業界全体にもインパクトのあるニュースとなった。
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