Google発の自動運転スタートアップ・Waymoが8400億円の資金調達。Waymo Oneを拡大へ
Googleの自動運転プロジェクトからスピンオフしたWaymoは、親会社Alphabetが主導する$5.6b(約8400億円)の投資ラウンドを完了した。2024年10月25日、同社がブログで発表し、金額は募集額を上回るものだという。
Waymoは、レベル4の自動運転技術を確立しており、後述するような事業展開を行っている。
Googleからスピンアウトした自動運転技術のパイオニア企業
Googleは、2009年に自動運転の技術開発を着手し、同時にWaymoとしてスピンオフ。以来、自動運転技術の筆頭的存在として知られる。
Waymoは2024年より、米サンフランシスコ、ロサンゼルス、フェニックスで「Waymo One」という配車サービスを一般向けに開始。現在、週に約10万回の有料乗車を提供する。
さらに、同じくフェニックス市内のスカイハーバー国際空港で自動運転車による路上ピックアップも提供。フェニックス都市圏のロボタクシー事業がカバーする範囲は、およそ180平方マイルだ。
また、2024年8月には新たな自動運転システムである「Waymo Driver」を発表。第6世代のシステムであり、13台のカメラ、4台のLiDAR、6台のレーダーユニットなどを搭載している。
調達資金で商用配車サービス拡大のほか、Uberとも協業
同社はこれまでも、2020年3月の初の外部資金調達ラウンドで$2.3b(3375億円)、2021年6月の$2.5b(3750億円)のラウンドなど、巨額の調達を成功させてきた。
今回、応じた投資家は、ベンチャーキャピタル(VC)が多く見られる。
同社ブログでは調達した資金を「サンフランシスコ、フェニックス、ロサンゼルス、そして Uber との提携拡大を通じてオースティンとアトランタで、Waymo One 配車サービスにさらに多くの利用者を迎え入れることになる」と説明。Waymo Oneが利用できる都市を拡大するとともに、Uberのような他のモビリティアプリケーションにも展開、協業していくと見られる。
今回、Waymo側の経営陣から声明は出されていない。しかし、投資家側からは「Waymoは自動運転のエコシステムにおいて最も安全で最高のプロダクトを開発した」「Waymo Driverは最先端の研究、実用的なソリューション、そして現実世界での体験の範囲と規模を大幅に拡大することで、AI の価値と可能性を安全に実現し、信頼を獲得する先駆者」との声が寄せられている。
サンフランシスコではロボタクシーが急拡大
この数年、ずっと実証を行ってきたサンフランシスコでは、現在Waymoのロボタクシーの配備台数が急拡大していると言われ、現在ではWaymoのロボタクシーを頻繁に見るようになった、と現地で言われている。
少し前にGM Cruiseの問題があり、一旦下火になったかのように見えたロボタクシーであったが、米国と中国では、まだエリアは限定されているが配備台数が拡大しており、すでに一般のユーザーが利用を行っている。
今回の資金調達によって、Waymoの配車が進められると想定され、ロボタクシーの社会実装が一気に進む可能性がある。
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