WayveがシリーズCで約1590億円を調達、ソフトバンクGが主導する投資で開発・販売へ
自動運転向けのAI技術を開発する英スタートアップ・Wayveが、シリーズC調達ラウンドで$1b(約1590億円)を確保した。2024年5月、同社が発表した。
Wayveはケンブリッジ大学でディープラーニングによる自動運転の研究グループによって2017年に設立し、ロンドンに拠点を置くユニコーン企業だ。
エンドツーエンドの深層学習ベースの自動運転システム
Wayveは「Embodied AIによって、自律走行モビリティの未来を再構築する」というミッションを掲げる。
Embodied AIとは、ロボットや車両にAIを組み込むことで、環境の変化に適応し、自ら学習して進化していくロボット・車両の実現を目指す技術。同社では、フリート(艦隊)ラーニングという手法で、多様な車両かつ大規模な自己学習を行い、どのような環境でも安全に走行ができる自動運転のモデルを開発している。
また、原則的にはHDマップを不要とする技術となっており、新しい道路や都市に簡単に適応できることがアピールされている。
2018年には英国の公道で、自動運転システムのテストを行っている。このシステムは「AV2.0」と名付けられ、さらなる研究開発が進行中だ。
これまでの資金調達総額は約$300m(約479億円)だった。
ソフトバンクグループが取締役を送り込み事業をバックアップ
今回のシリーズC投資ラウンドでは、ソフトバンクグループがリードインベスターになり、既存投資家としてMicrosoftが出資した。また、新たに米国の半導体メーカー大手・NVIDIAも出資に参加している。
Wayveは今回の調達により「地理的に多様なデータ資産を構築し、世界中の人材を引き付けられる」と説明。さらに共同創業者で CEOのAlex Kendall氏はこうコメントした。
「Wayve が見据えるビジョンは、当社の自律走行システムが何百万台もの車両に搭載されることだけではない。自動運転を日常生活にシームレスに統合して価値を引き出すことで、人々の信頼を得る自律技術を開発することだ。今回の資金調達は、エンボディードAIの技術をあらゆる場所と人に拡大する上で、業界が長年抱えてきた課題を解決するという、私たちのチームの揺るぎない信念を強くするものだと考えている。
ソフトバンク、NVIDEA、Microsoftとの連携は、自動運転の再定義という当社のミッションを推進する上で大きな力になる。この投資によって自動車業界向けで初のエンボディードAI製品の開発・販売ができ、消費者に安全で有益なドライビングエクスペリエンスを提供できるようになるはずだ」
また、Wayveは今回調達した資金を活用し、新しい市場での事業とパートナーシップを拡大することを狙うという。
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