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USVで海洋データを収集・提供するXOCEAN が180億円を調達。需要増に対応へ

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無人水上船(USV)を用いて海洋データの収集、提供するスタートアップ、XOCEANが2025年1月9日、$115m(約180億円)の資金調達を完了したと発表した。

2017年にアイルランドで設立のスタートアップだが、現在ではアイルランド以外の欧州、北米、オーストラリアに拠点を有し、従業員数は240名を超える企業だ。今後、拡大が見込まれる海洋関連データの需要に対応する。

ブルーエコノミーの拡大で求められる海洋のデータ

海洋におけるビジネスは、従来の漁業だけでなく洋上風力発電や海底油田での原油採取で二酸化炭素(CO2)を注入・そのまま貯留するCCUSなど、新たな展開が見られる。こうした状況から、洋上でのビジネス、経済活動は「ブルーエコノミー」と呼ばれるようになった。

しかし、ブルーエコノミーが拡大していく中で必要となるのが、海底地形をはじめとするデータだ。正確なデータの存在が、安全、確実なブルーエコノミーにつながる。

XOCEANは、24時間365日稼働可能なUSVを開発し、これを使ってマルチビームエコーサウンダー、サブボトムプロファイラー、サイドスキャンソナー、磁力計、超短ベースラインの各種データを収集。また、USVはCO2排出量が従来の有人調査船の0.1%に抑えていることを同社はアピールする。カーボンニュートラルのための調査で多くのCO2が排出されるというような、本末転倒を防ぐ。

運用されるUSVの数は30隻あり、XOCEANはこれらのいくつかでフリート(艦隊)を組みデータ収集する。データは海洋やエネルギー関連の企業、各国政府に提供している。

ニューヨークの沖合を航行するUSVのフリート(XOCEAN プレスリリースより)

なお、XOCEANは2024年6月にもシリーズB資金調達ラウンドを実施しており、€30m(約50億円)を確保した。

石油・化学大手が出資するファンドが参加

2025年1月の資金調達は、ベンチャーキャピタル(VC)が主導。投資家には石油メジャーや化学大手などが参加する脱炭素ファンドのClimate Investment、米富豪であるCrown家の資産管理会社であるCC Industriesなどがいる。

資金は、プラットフォームの成長、地理的な拡大などに使われる。

XOCEAN 創業者兼CEOのJames Ives氏は、次のようにコメントした。

「われわれの使命は、安全で費用対効果が高く、極めて環境への影響が少ない方法で、海洋の持続可能な開発を推進するデータを提供することだ。現在、われわれは世界最大規模と呼ばれるエネルギー企業の多くにこのサービスを提供し、再生可能エネルギーの世界的な開発をサポートしている」




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  • 記事・コンテンツ監修
    小林 大三

    アドバンスドテクノロジーX株式会社 代表取締役

    野村総合研究所で大手製造業向けの戦略コンサルティングに携わった後、技術マッチングベンチャーのLinkersでの事業開発やマネジメントに従事。オープンイノベーション研究所を立ち上げ、製造業の先端技術・ディープテクノロジーにおける技術調査や技術評価・ベンチャー探索、新規事業の戦略策定支援を専門とする。数多くの欧・米・イスラエル・中国のベンチャー技術調査経験があり、シリコンバレー駐在拠点の支援や企画や新規事業部門の支援多数。企業内でのオープンイノベーション講演会は数十回にも渡り実施。

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